全力で頭を抱える日記

おもに乙女ゲームの感想を中心に。ネタバレご注意。

19 2019
端的に言うと、合わなかった。最初から最後までだいたい合わなかった。
出されたものを美味しかろうが不味かろうがなんだろうが完食する心意気だけは持つようにしているが、味が中途半端なのが一番困った。締まりのない味がするものをずっと飲ませられた気分だった。

いやしかし共通ルートがそこそこ長かったが、これで彼らと仲良くなったという意識があまり植え付けられなかった時点で物語に没入出来ていない。共通ルートでは四人の人外と一人の人間のやりとりというか紹介のようなイベントが挟まれているのだが、これが本当にキャラクターと世界観の紹介程度に留まっていてそれぞれとの仲を深めたという感じがあまりしない。実際主人公とキャラクターたちが濃く関わり合うようなイベントはなかったように感じた。

さらに一番自分と相性が悪かったのが、このライターのクセなのか大本のオトメイトの舵切りなのかはわからないが、『物語上よく見せたいキャラクター』のために、『物語に深く関わらないキャラクター(モブなど)』を過剰に悪く見せることがそこそこ見受けられた。何が辛いって、こういうシーンを見させられてその『よく見せたいキャラクター』に好印象を抱く前に、気分の悪いものを見たという気持ち先に来るからだ。だからそういったイベントが来るたびに、イベント全体に対してあまり良い印象を持てていない。
序盤に主人公が元職場から毎日のように電話が掛かって来て、電話に出たら戻ってこいと怒号を浴びせられ、アンシャンテがあってここが自分の居場所だと、過去と決別するようなイベントがあるのだが、これをなんとも言えない表情で見ていた。決別出来たことは素直に良かった、と思うのだが、これが本当に必要な描写だったのかと問われると疑問が残る。手取り10万で怒号浴びせられて退職してからもクソ電話がかかってくるような元職場と、今の所人畜無害そうな人外4人に飲み物と食べ物提供するだけで50万相当の金塊が貰える場所ならそりゃ誰だって後者を選ぶ。仮に、職場の人間関係や金銭的にも普通の生活を送っていたけど、アンシャンテの面々が大事だからという理由でアンシャンテを選ぶのなら、アンシャンテへの思い入れのようなものを感じることができるが、こういった明らかに比べるまでもない描写のために、理不尽なことを言うキャラクターが一瞬でも登場するのが心証が悪くなる。こういうのを比較として、二度三度も続くととてもつらい。
別に比較するようなイベントを持ってくるなという話でもないが、こういったように比べるまでもなかったり、誰かや何かを強く比較して主要キャラクターを良く見せようとするのが、合わない。そして魅力を感じることも出来ない。比較することに物語上大きく意味があったりするのならまだ理解も納得もできるが、一瞬で終わるようなやり取りを見せられても、そりゃよく見せようとしてるのだからよく見えるのは当然だとも感じてしまう。私は彼らの考え方や単体で見たときの素材の良さを感じたかったし楽しみたかった。わざとらしさを感じてしまった時点で自分は画面の中に入ることが出来なかった。


そんな感じで共通は感情が全くと言っていいほど無風状態だったが、ルートに入るとそこそこ楽しめた。何が楽しめたって黒幕の考え方に。
物語上の一連の流れは面白く読めた。イグニスに関する伏線も綺麗に回収していたし、物語の謎も上手く組み込まれていて楽しんだ。しかし乙女ゲーにあるまじき、全く萌えること無くどちらかといえば黒幕側に共感して終わった。三ツ星ディナーから道端の草や泥など色んなものを口に含みすぎて私の舌がバカを通り越して狂いまくってることは否定出来ないが、それでも黒幕の行動理念と考え方は納得するものが大きかった。

イグニスに関する食の描写については本当に面白かった。仲間を殺されて狂気になりかけたところで主人公の祖父が作ってくれた初めての食事で【美味しい】という感覚を覚えて心を落ち着かせるという展開は、なんだかとても素敵だなと思った。そしてこれが終盤、実は初めての食事ではなく、ここに来る直前にすでに暴走して魔獣を食らっていたというのがバラされるところも悪辣な展開でとても良い。
イグニスはベスティアという強さが正義みたいな世界に生まれながらも、仲間を不条理に殺されたことに怒り、意味もなく自分の強さを見せつけるための殺しをしない=不殺を誓っていた。ちなみにこれをイグニスが語るときに「人間のように食事で殺すのなら意味はあるが」的なニュアンスのことを語るのだが、ベスティアの魔獣たちは皆食事を取らずに生きていける体なんですと。だから魔獣が別の魔獣を殺すことは力の証明でしかなかった。
上述したが、物語終盤でイグニスにこれが降り掛かってくるのが良い。イグニスが食事をする描写を微笑ましく見れていたのに、それが実は食肉衝動に関連した伏線であったり、食事を作っていた主人公が逆に捕食される側へと反転するのも良い。イグニスは界喰狼と呼ばれる過去に人間や別の種族の魔獣を食らっていたベスティア界一のやべーやつの子孫で、この事実が今まで穏やかに受け止めていた物事を一気に反転させていたのはとても楽しかった。

そして追い詰められていき、衝動に負けて仲間を攻撃して主人公の腕をも食らってしまうのは強い展開でとても引き込まれた。愛し合う男女が本能的なことで引き裂かれてしまうのは亜人だからこその展開で楽しんだと言うか。この前座として、距離を取ろうとしていたイグニスに対し『自分はまだイグニスに酷いことされてないから大丈夫』だと悪くいえば甘っちょろい考えだった主人公が垣間見れるイベントがあること。その展開を見たあとにこれなので、非情な事実を味わわせられるのがとても痛くて良かった。
ただ同時にめちゃくちゃがっかりしたのは主人公が腕を食われたとあって、私はてっきり、肘からか肩からかまるごと引きちぎられて持ってかれたのだと思ったら、神経にも到達しないぐらいの肉をえぐられた甘噛程度だったこと。本能が暴走して主人公のことすら判別出来ないような状態で、周りの魔獣殺しまくって、アンシャンテの仲間も殴る蹴るの暴行してたくせに主人公の腕のお肉一口パクリしただけでメッチャクチャ重大事件のような描写だったのは結構モヤモヤ来た。てっきり取り返しのつかないことをしてくれたのだと思ったら……こういった中途半端な描写をされるならいっそのこと無いほうがマシだった。本能の中でも理性で主人公だけは傷つけないように止めたと解釈もできるんだが、それだと事の重大さがなくなるように感じる。

イグニスを一生懸命に界喰狼として目覚めさせようと裏で主人公を殺そうとしたり魔獣を狂わせてイグニスに戦わせて闘争本能刺激してたのが、イグニスの舎弟であると慕っていたドローミくんでした。コロロがやたらと威嚇していたり、都合よく出てきたりいなくなったりしていたので大方の予想はついていたけれど、彼が犯人であることへの驚きよりも、なぜこのようなことをしてイグニスを目覚めさせたのかの理由がとても興味深かった。
彼自身もベスティアで生きていく中で家族や友人を強さの証明のためだけに殺され、そんな中現れたのが魔獣を捕食し生きるために他者を殺す界喰狼であるイグニスだった。

ドローミ「空腹を満たすために殺すんだ!!生きるために、殺すんだ!!
――悪意なく、ただ本能のみで!!
死者の尊厳を守り、その肉と血を身の内に取り込み……共に!! 永遠に生かしてくれる!!
血を流すことは同じでも、その意味は全然、違う!!」

何が面白いって、作中でも語られている通り、イグニスもドローミも家族や友人を殺された境遇は一緒で、ベスティアという悪意ある殺戮の世を変えたい、という思いは共通していること。なのに方法は全く違う。イグニスは『意味もなく殺されたから、他者を殺さない世界にしたい』で、ドローミは『意味もなく殺されたから、意味のある死がある世界にしたい』この解釈違いがもうたまらなく面白かった。そしてドローミが望むものを与えてくれるのが現状イグニスだけというところも良い。
人間側がこの考え方に「狂ってる」というのだが、自分はとても理屈が通っていると思ったし、狂っているとは感じなかった。大切な人が無残に殺された悲しみで歪んだという結果なのかもしれないが、死に触れる機会の多いベスティアの住民としてはドローミの考え方のほうが常な気がする。逆に捕食する側のイグニスが人間的な考えの構図なのは感心した。人間も捕食する側なので。そして皮肉なことに、イグニスが語る理想の世界よりも、ドローミが語る理想の世界をつくる方がずっと簡単なことだと思えた。大勢を変えるよりも、一人を変えてしまったほうが効率が良い。
ドローミの考え方にすべて賛同できるというわけでは無いのだけど、『死んでしまった人の死を意味のあるものにしたい』という感情は、彼の他者を思いやる優しい気持ちからなのではないかなと思う部分も大きい。奪われることしか無かった側が、ならば奪われる意味がほしいと願うことは理解できなくはない。ドローミは一貫して奪われる側の思考なような気がしてならない。だから彼が願う世界に意味のある死を招いてくれるイグニス以外に奪う側が存在しない……ドローミ本人すらも『奪われても良い』と思われていそうなところがなんというか泥沼で良かった。いや、良かったと評するのもいかがなもんかと思うが、良かった。
そしてこれを捕食する側の人間が彼を否定するのはなんだか違うような気持ちになった。主人公は「奪われる悲劇が少しでも減るようにしてきたイグニスとドローミは違う」と言うようなことをドローミに伝えるのだが、ではイグニスが今後「奪われる悲劇」を生み出さないかと言うと違う気がする。作中では明かされなかったが、イグニスが捕食しないと生きていけない身体だった場合はどうするんだろうか。
それに人間だって生きるために色んなものを殺しているし、奪われる悲劇を生産する側なんじゃないだろうか。そこがテーマじゃないと言われればそれまでなのかもしれないが、食べて生きることをテーマにする以上これは目をそらしちゃいけないことなんじゃないかなと。現在進行系で食事関係で奪ってきた側の人間が奪われる悲劇を語っちゃいけないように思った。

それはともかく最終決戦では案の定主人公を人質に取られて暴走しちゃったイグニスを総動員でなんとかよしよしどーどーする展開でした。名前欄がずっと「弱小魔獣」とか言われてた可哀想なケモミミ種族たちに助けてもらったりして冷たい海に叩き落として愛のパワーで元に戻していた。ご都合主義か、と思う気持ちも無くはないが、異種間との恋愛で暴走した相手を宥めるのに愛が効かなかったらそれはそれで寂しいものがあるので、これはこれで良かったと思った。……その程度なのが寂しいが。
ただ夢破れたドローミくんが放置されてたのは可哀想だった。弱者がめっちゃ切り捨てられている。ここまで力ないものが救われる話だったのに、シナリオ的に彼が放置されて終わったのはなかなかに遺憾。メインの人物じゃなければないがしろにされても良いというわけではないと思った。このシナリオ的にも。

ちなみにエピローグで食事関係はトラウマになったから食欲を性欲に置き換えて頑張るわと言われてめちゃくちゃ笑った。奪うよりも作る方を頑張るみたいでなによりです。
正直に語ると、食べなくても生きている身体かどうかは別にして、ここで食欲を否定する展開なのもあまり納得がいかなかった。食事をすることで喜びと感動を覚えて心の平穏を取り戻せた事もあったし、主人公含む人間側は食べることから逃れることは絶対に出来ない。なのに食べることを否定されることは、それこそイグニスが奪った生命の意味が失くならないのか。

あんまり恋愛面語ってないが、お互い惹かれた理由はあんまりよくわからんかった。イグニスが主人公を好きになるのはまだわかるが(意識する描写もあったし)、イグニスのことをさほど意識していなかった主人公があっさりイグニスが特別になっているのはよくわからん。イグニスの優しい思いに惹かれたのはわかるがだいたいみんな優しいし、主人公の境遇や気持ちも含めてきっかけとなる印象深いエピソードがあまり無かった。



共通は本当に味のしない香りだけするコーヒーを飲んでるみたいで辛かった。挽く前の豆食ったほうが美味いと思えるぐらい味がしなかった。実際挽く前の豆は結構美味い。
根本的な問題を問うが、これ……主人公がいる意味のあるシナリオだったんだろうか。流されていたというわけではないし、守っているし立ち向かおうとする勇気も持ち合わせていた。でもそれ以上に主人公らしさが欲しかった。生い立ちから育ててきた考え方やそういうものを見てみたかった。確かに主人公がきっかけなんだが……それはこの主人公らしさってのとはまた違う気が。

何度でも言うが、ドローミくんの扱いは本当に心から可哀想。イグニスが作中でドローミくんのことを「使えないやつ」とこき下ろすのだが、それこそが奪う側の思考の始まりのような気がする。ベスティアという強さが正義という世界の縮図。それをわざとそういう構図になるように演じていたドローミは今思えばある意味強者なのかもしれない。まあお互い単なるこういうキャラクターだと言われればそれまでだけど。
もちろんこれを反転させる展開だったのは面白かったし、そこに少なからず意図はあるのだろうけれど……最後の結末を見るにただの物語のパーツに過ぎなかったのかなと思うと、なんとも言えない気持ちにさせられた。ドローミが仲間の死に触れて、感じて、考えて、強い意志で行動してきたことを思うと、ハッピーエンドで良かったねとは到底思うことは出来なかった。ドローミの気持ちに多少なりとも変化がない以上、ベスティアは何も変わっていない。強いものが勝って弱いものが負けた、ただそれだけのような気がする。
06 2019

乙女ゲーとプロ野球

事後報告になりますが、このブログがSSL設定できることに気が付き、数日前からそちらに設定してます。それに伴い、URLが変更になりました。httpがhttpsになっただけじゃなく、ブログのサーバー番号とやらも無くなったようです。元のアドレスでも自動的に新しい設定で見れるようになったので、もしブクマしてくださってる方がいらっしゃっても普通に表示されているはずです。ただ今後FC2側がどういう対応するかはわからないので、もし不安なら新しいURLで登録してやってください。
ちなみにかなり古いスペックだったり一部環境では正常に表示できなくなってるらしいですが殆どがスマホからの閲覧っぽいので、おそらく9割9分9厘ぐらいの方は大丈夫だろうと勝手に判断してしまいました。見れなくなった残りの1厘の方は申し訳ない。この申し訳ないももはや見られない状態になってて申し訳ない……。
SSL設定しなくても問題はないといえばなかったんですが、セキュリティを高めておくに越したことはないと思ったので……そんなわけで色々すっきりしたURLとなりましたが、中身は今までと全く変わりません。今後ともどうぞよろしくおねがいします。


・Switchの不具合
この一つ前の日記でSwitchに対して今の所不満はないと書いた数日後ぐらいから、以前から噂で聞いていた、スティックが勝手に右に動く不具合?に出会った。まだ買って一ヶ月も経ってない間にこれは辛い。コントローラー再起動したりしなかったりで治ったり治らなかったりするらしいですが。法則性は無く突然動いたりするからビビるけど、ずっと動き続けるわけではないのでそこはまだ救いだろうか。ちなみにこれLiteでも起こったりするらしいですが、そうなった場合コントローラー外せないしどうすんでしょうか。天下のNintendoハードでコレは無いだろうと思いつつも、まあ対応されたりはしないんだろうなと半ば諦めてるのでとても気持ちが落ちた……安い買い物じゃなかったので。
ちなみにプレイしてたルンファク4は無事に3部まで終了し、のんびり遊んでいる状態。終盤はレアアイテムのドロップ率が渋くとってもイライラしたけれどセルザが戻ってきたので全部許しました。今はレオンのイベントが全然出現しなくて苦しんでいるがまあいずれ来るだろうしそのへんもぼちぼち楽しんでいきたい。適度にストーリーが有りつつ終わりの見えないやりごたえのあるゲームでした。


・TAKUYOの新作と落合家
いいよいいよ!この時代に置き去りにされているのかむしろ時代を置き去りにしているのか微妙なラインをついてくるこのキャラデザ!この相変わらずのTAKUYO塗り!すごくいいよ!これぞTAKUYO!時代が令和になろうがなんだろうがこの平成中期感でずっとそのままでいてくれ!!(Pの発言より、これはわざとやっていることらしいですが)
そして何よりも興奮したのはキャスト陣にあの中日ドラゴンズの名将落合博満監督の息子の落合福嗣くんがいるところです。めっちゃ興奮した。正直今も興奮している。親の七光りと言われようがなんだろうが、あの落合博満の親族が声当ててる乙女ゲームが発売されるという摩訶不思議なこの状況にプロ野球ファンとしては驚きと狼狽と不安と興奮と強い喜びを全く隠せない。隠す気もない。TAKUYOには心から感謝している!!
落合博満といえば選手でも素晴らしい成績を残した人でもあるけれど、私の中ではやはり中日の監督時代が一番印象が強くて、未だに私の中日のイメージは落合監督が率いてた頃の中日なんですよ。ちなみに三十路を超えている福嗣くんをなぜくん呼びしているのかと言うと、福嗣くんが昔からちょくちょくテレビに出ていて未だにネタになるぐらい生意気な発言をしていたので、彼が声優になると知ったときは頭に!と?が浮かびまくったし、親の七光りが届きにくい業界でしかも七光りで来られることにとても抵抗感が強かったし、実際その演技を聴いて想像よりも上手でびっくりしたし、なによりも昔からは想像もつかないぐらい良い意味で成長していて未だに心が追いついていない部分があります。そんなわけで落合監督も福嗣くんも相当前から知っている身としてはこのある意味受け入れがたいような現状がとても不思議な心地です。あの、あの福嗣くんが……乙女ゲーに……おそらく当時の福嗣くんを知っている過去の私に「福嗣くん将来声優になって乙女ゲーに出るぞ」と言っても66億%信じないですね。それほどこの業界とは縁遠い方たちでした。落合家についてまだまだ語りたいことはあるがおそらく私以外誰も興味がないと思うので、語ろうとする疼く両腕を地面に押さえつけながら割愛させていただく。
不安要素は演技力が少し物足りない部分があるところぐらいだろうけれど、どんなに棒読みでもだいたい乗り越えてきた私としては無問題です。ちなみに福嗣くんは演技よりもナレーションのほうが上手い気がします。
他のキャスティングも新人重視で楽しみです。聞き慣れた声と演技は安心するけれど、やはり新鮮さというのは新人でしか味わえないものなのでそういう意味でも楽しみにしている。
ちなみにシナリオライターも新人を使っているそうですが、シナリオについては特別不安視もしていないし特別期待しても居ない。楽しめれば儲けもん程度の感覚で居ます。不安なのは私の中での「落合福嗣」が強すぎてキャラクターの後ろにぼんやりと幼少期の福嗣くんの顔が浮かび上がりそうなところなのだけれど、そこは日頃鍛え上げた己の妄想力でカバーしたい。
とにもかくにもこの縮小しまくっている乙女ゲー業界で、TAKUYOの新作にお金を落とすことができるありがたみ。たとえ顔面のすべての筋肉が引き攣る出来であろうとも、このキャスティングだけで私は全部を受け入れるだろう。あとは無事発売されることを祈るのみ。


・SSSS.GRIDMAN
見ました。特別強く心に残るようなものもなかったけれど、12話で綺麗にまとまっていて最初から最後まで飽きずに楽しく見ることができた。元は円谷プロの特撮らしいですが、ウルトラマンのセルフパロディみたいな演出もあってそういう意味でも楽しかった。自分の中の特撮ってウルトラマンだなと見ていて思った。それよりも、前に語ったガメラが一番最初に来ますが。
それにしてもアレクシスのキャラと演技が装甲悪鬼のちんこ晒してた人とよく似ていて笑った。むしろ突き抜けていてときめいた。良い声の悪役だなあ。
見る前に公式サイトの一枚絵で内海の腹が出てるのを見て「作画ミス?」と思ったが、まさかこのぽっちゃりが本編で出てくるとは思わなくて笑った。モノホンのぽっちゃりだったんかお前……かわいいな。
最終話のエンディングの演出は心に残った。特撮をこういうところで上手く混ぜてくるとは……本編の話の内容も合わさって、何気ないのに強く心に残る良い演出を見させてもらった。


今月は十二国記の新刊にアンシャンテが来るのでめっちゃ忙しい。休日がもっとほしい。
09 2019

Switch買いました

相変わらず口内環境がクソオブクソの望月ですおはこんばんちは。このブログは歯で箸を折ったことを報告した記事からスタートしたブログなので自分以外興味がないと分かって居ながらもなんとなく自分の口内環境の報告を定期的にしていますが、ついに先日願ってもいないのに口腔外科デビューしてしまいました。なんと石原さ○みを遥かに凌ぐハイパーたらこ唇です。果たして完治し、また元気に前歯で箸を折れる日が来るのか乞おうご期待。


・Switch購入
元気にルーンファクトリー4をしている。もはやどちらが現実なのかわからないぐらいプレイしている。
ルンファク4は3DSを2部ラスボス一歩手前ぐらいまでプレイした記憶があるような無いような記憶があるがどこまでプレイしたのか覚えては居ない。ただただレオンが好きでレオンにからかわれるたびに胸をときめかせてひたすらドクニジマスでレオンを肥やしていたことだけは鮮明に覚えている。今回もレオンのケツだけを狙っている。上半身裸だからついでに乳首とかも狙っている。
いやしかし本当に奥深く充実したゲームです……やればやるほど終わりが見えない。作業が中心ではあるけれど自由度が高くレベル上げも楽しい。いちいち作業に没頭してしまう楽しさを内包した素晴らしいゲームです。キャラクターも豊かでシナリオも良い。みんな可愛い。そんなわけでゼルダの夢を見る島が来るまではルンファク4で遊ぶだろうけど、久々にゲームをしている!という感情にさせてもらえて楽しいです。自分の根幹はやはりアクションゲーにあると再認識した。

ちなみにSwitchは据え置き型を購入したけど、重さはそんなに気になっていない。ベッドで上向きにやるには多少重たいだろうけど、私の筋力のまったくない腕ではVitaどころかPSPも苦痛だったのでSwitchもVitaもそんなに変わらない印象だった。TV画面でもプレイしてみたけど、こちらのほうは何故かやめ時がわからなくなって怖くなったので主に携帯機モードでプレイしている。解像度が全く荒くならないのは感動した。技術の進歩はすごいなあ。画面も普通に綺麗だし、なにより充電が楽。置くだけで充電になるというのが凄く良い。あと携帯機モードでゲーム画面のまま据え置きのやつに差し込むとTV画面が勝手にゲーム画面に切り替わるのも感動した。楽だなあ、とことん手間を省いてくれる。
そんな感じでSwitchに関しては今の所不満は特に無い。充電時間が長くなったバージョンのを購入したおかげかほぼ一日中プレイしても充電が切れることはなかった。金額は高いがその分かゆいところにも手が届く充実の内容であると感じた。

どうでもいい個人的なあれだけど、任天堂のゲーム機で乙女ゲーやるのがとても不思議な感覚になる。ときメモGSをDSでやったときもそうだったが。というかイマイチ恋愛ゲーを任天堂でプレイする感覚が私にはあまりないのだと気づいた。私にとってのゲームのスタートはもちろん任天堂なんだけれど、幼少期にプレイした記憶が根強いのだろうなこれは。


・幽遊白書を見ている
シャレマニで緒方ボイスを聞くと私の中のいにしえの蔵馬が目を覚ましたのでチキチキ幽遊白書鑑賞会を開催している。実は学生時代に全話見切っていてこれが二週目に入る。アニオリも上手く織り交ぜられてて、特に終盤の冨樫先生が力尽きかけた魔界編辺りの内容はアニメでしっかり補完されていて、とても好きな作品。あとやっぱり蔵馬は格好良い。超かっこいい。何から何までかっこいい。性癖ドツボっす。緒方さん、色々主役級を演じられているけれど、やはり私の中の緒方恵美は蔵馬あってこそだなとこれまた再認識。
ハンターハンターも大好きだが、幽白は少年漫画としてのバランスが良い。適度に勧善懲悪で、後半今の冨樫節が効いてくるというか。暗黒舞踏会辺りからの流れは多分あのときの冨樫先生じゃなきゃ描けなかったんだろうなあというのが感じられて良い。
しかし冨樫義博の描く悪役もツボにハマりまくって胸がときめく。いいキャラ産みまくり。仙水みたいな正義と悪が反転したキャラも良いが、左京とか垂金権造とかみたいな生粋の悪役がなんというか記憶に残る。


・次プレイする乙女ゲーム
実はルンファク4をプレイする前に死神と少女をプレイしたのだが案の定というか予定通り挫折した。他にプレイしたいゲームがあってそちらに気が向いたのも在るが、いざプレイするとプレイ意欲が消滅するくせして、なんとしてもこのゲームだけは意地でもフルコンプしてやるんだという気持ちはおそらくフルコンプするまで消えない。かというと面白いと感じるかというのは別の話で、『どうして面白くないと感じたか』をこの作品に関しては突き詰めたい気持ちがある。ただ最後までプレイしたら評価がひっくり返るかもしれないし、機会があったらまたチャレンジしたい。
直近で購入予定は幻奏喫茶アンシャンテ。少女漫画のような少女小説のようなどストレートな題材が好み。自分は事前情報をほぼ仕入れないので何を掴まされようと全力でとったどーする人間だけど、できれば面白いといいな。できれば。オトメイトさん頼んますよ。
年末にはおそらくMUSICUS!とバスタフェロウズの二大すめらぎ琥珀が来るというすめらぎ琥珀ファン(私)にとっては幸せな状況に。昨年はゲーム意欲がぱったり途絶えたけど今年はゲーム充できそうで今からめっちゃ満足してます。まだ買ってもプレイしてもいないのに。


そんな感じでルンファク4が暗転したとき写るデラックスたらこ唇のおばけに負けずにしばらくは畑を耕してます。
タイトル長い。本当はソウタ、メイだけ別記事にしようかと考えたんだがこの三人はなんだか切っても切り離せないようなものだと感じたので、勢いで3人+真相+総評を続けて書く。いつものようにクソ長い感想がさらに連結して万里の長城になるが、それは私のチャームポイントのようなものなのでご了承ください。
あまりにも物語の根幹に関わりすぎるので総評以外はワンクッション起きます。総評もネタバレしないように頑張って書くが、そういう文章をあまり書いたことがなくとんでもなく自信がないので気にする方はご注意。このゲーム、半分くらいは謎解き要素メインなので、知らずに進んだほうが楽しめる……とは思う。


【総評】
・システム、音楽

システムについてはいつもの可もなく不可もないオトメイト。オトメイトゲーするたびに毎回言ってるなこれ。その意味は、使いやすいわけでもなくこれといって不便なわけでもない。サイケデリカのスタッフが関わっているらしくフローチャートシステムだったが、サイケの時はコレが私の足を引っ張ったが、今回は自分でいちいち選択するような手間もなく選択肢で進むいつものADVだったのでさほど意味はないがこれといって困ることもないシステムだったのは助かった。シナリオの出来はともかく、システムについては毎回余計なことをして足を引っ張るイメージしかないので。
一つだけ言いたいのは、私は鬼のようにスクリーンショットを撮る人間なので、モノローグの時にバックログを辿ろうとしたら「モノローグ」って文字しか表示されないのは身体が硬直したし(これ確かノルンでもそうだったよ!)、バックログ画面の右下に、バックログの文字と被る位置でボタン操作の説明が鎮座されていたのは結構邪魔くさかったのでもし次がある時は勘弁してください。
音楽についてはOP、ED主題歌共に凄く良かった。もちろんその他BGMも。勝利BGMはなかなかに胸が熱くなった。特にBADのムービーのほの暗さと、全力で「コレはBADなんだ!!」と言ってくる演出は必見。最初見た時は笑ったが、なかなか気味が悪くて良いと思う。

・グラフィック
オトメイト御用達・悌太氏の美麗なイラストだったが、いつもと違うのは塗りのテイストを変えてきた事。アニメ塗りっぽい仕上がりでしたが、これが近未来的な作品の雰囲気にあっていて良かった。ポップでスタイリッシュなキャラのキービジュアルに、ナンバーと色を印象づけることがとても効果的に働いていて、主人公含め10人という大人数の一人ひとりを上手く記憶に残させてくれた。カラーがキャラクターイメージにも合致しているし、そういった意味でもよく考えられている。
十三支演義のときもそうだったが、今回も立ち絵やキービジュアルに物語の謎や設定を上手く織り交ぜてくれたのはとても感心した。プレイし終えたあとに「ああそういうことか」と理解できるのは面白い。この方は本当に、こういうさり気なくそれでいてかっこよくデザインするのが巧みだなとしみじみ感じた。

・シナリオ、設定について
大方の謎や細かな設定については大体回収される。謎の散らばらせ方は上手いと思ったが、ややヒントをバラマキすぎというか「これがヒントです!」という演出をし過ぎかな、というふうにも感じた。が、この長くない話の中で、あと乙女向けという点を考えれば敢えて難易度を低めに設定したのかな、とも思わなくもない。ただ、やはり謎解き要素を入れるなら、こちらが全く気づかないような謎や伏線を敷いてネタバラシの時に目ン玉が飛び出るほどの衝撃を味わって見たかったな、という気持ちはやはり拭えない。『このキャラにこの設定がある』と大体察せられるし、キャラのEDで別のキャラの設定が判明しかかったりすることもあるので、ミステリにおいてはそれが致命傷になる部分もあると感じた。
ルートに寄っては恋愛過程に比重があるし、なぜ好きになったのかどこを好きになったのかを考えると辛いものがあるルートもあったけれど、やはり9人という攻略対象の多さとシナリオの分量的にはしょうがなかったのかな、という思いもある。これはライターの力量うんぬんの問題でもあるとは思うけれど、それ以上に大元のオトメイト自体がもう少し総量を広げてほしかったな、という思いもある。このシナリオを十二分に描かれて、その上それを体感した上でどういうことを感じられたのかな、というのを書き記したかった。まあ予算とかの問題もあるんだろうし、仕方がないと思う部分も無きにしもあらず。
逆を言えば、この1ルートそれほど長くない話の上で、謎を回収する流れは楽しかったし、どのキャラクターにも感情移入出来たのは素晴らしかった。ミステリであるおかげでもあるとは思うが、シナリオには引き込まれたし、飽きたり中だるみすることもなかった。各々の感情を考えたり共感したりする時間は充実していて、最初から最後まで綺麗に楽しむことが出来たし、私がオトメイトに唯一求める『萌え』という感情も堪能することが出来てとても満足だった。

あと一番胸に来たのは、BADじゃないがBADよりも胸に刺さって痛みが残り続けるお話見れたこと。心に残り、考えさせられ、それでもほのかに灯るようなものがあったのは何にも代えがたい時間だった。


オススメ攻略順は【 トモセ→キョウヤ→ミズキ→ケイト→リョウイチ→マモル→ソウタ→メイ→タクミ→真相 】
公式推奨順もこれっぽいらしいが、これの意味は徐々に謎をバラしていく感じと、あと心象的な意味も含めてだと思う。流れはこの通りにやっていくと、キャラクターの行動の意味がよく分かってよかった。


以下よりネタバレ含みまくったキャラ+サブキャラ感想です。真相については伏線もあったので大方の予想通りだったんだが、メイにはやられた……お前の思いという名の槍が胸に突き刺さって抜けないぞこのやろう……よくも……よくもやってくれたな。
一応公式の推奨攻略順とやらに沿って攻略しているんだがなかなかのジェットコースターで目が回っているそんな今。


●獲端ケイト
ケイト可愛いよケイト。攻略中私はずっと彼のことを可愛いとしか言っていなかった。脳内ずっと可愛いでしか埋まってなかった。ほんと可愛いぞケイト、天性の可愛さ!キュート!プリティー!ずっとそのままでいてくれ!

物語の謎としての絡みは、序盤で伏線がはられていた左腕の謎と前回参加者ってことぐらいなだけで、根幹に大きく関わってくることはなかった。というかそれ以上にケイトは私の好み過ぎて、割とそういうことどうでも良くなっていたし、ここまで本音で周りを威嚇し自分に傷を付けられまいとしている人間がスポンサーやプロデューサーさんとはとても考えられなかった。そういう意味ではコレ以上ないほど清廉潔白でしたねケイトさん。
割と序盤で主人公だけに前回参加者で左腕が奪われたことを告げるのだけど、もうその時点でケイトは主人公のことをある程度信頼していたのだろうし、気持ちが寄っていたんだろう。周りにろくな女がいなかったケイトを思えば、心優しく気遣い出来て純粋な主人公を見てイライラしつつも惹かれてしまう気持ちもよく分かる。そんな純粋な主人公を見て、『馬鹿だ』と思う気持ちと『傷ついてほしくない』という相反するような気持ちが同居していたのだろうか。どちらにせよ前回参加者なだけあって情報的な意味ではとても有利な立場だったろうし、早々に主人公に何の裏もないことを見抜いていた。他人を傷つけたくないからとペナルティーを受ける主人公を見て、思うところも多く在ったのだろうし。

ツンケンしながら周りに毒を吐き近寄らせまいと敵意をむき出しにしながらも、主人公も負けじとケンカップルな如く言い合う様子は本当にもう眩しくてニコニコしながら見ていた。対等な関係性で居て、強い言葉で威嚇するケイトに応戦する主人公も可愛くて良かったなあ。強いケイトの言葉に凹むこともあるのだけど、ほのかに垣間見えるケイトの優しさにも気づいてくれるし、喧嘩する二人をよそに心温まりながらその様子を眺めていた。
それでいて、きちんとケイトが料理が得意な理由と女性嫌いな理由も明かされていく。特に料理が得意になった理由については、誰かが食べてくれることを常に意識しているからとても胸に来た。同じく料理が好きな人間としては、自分を含んだ誰かのために創ることの重みもよく分かるし、そこに思いをのせていたケイトの感情がとても響いた。

ラストは嫌がらせのごとくケイトが左腕を失うことになったドラマの再演を勝手に仕掛けてくるディレクターもナイスアシストで良かった。いや~~~ほんとこの世界恋のキューピッドの仕事ぶりには感動すら覚えるっす。キスシーンのあるドラマで、主人公が飛び入り参加して無事二人だけご帰還のハッピーエンドでした。なぜ二人だけなのかとか、なぜケイトだけ色んな意味での甘々判定だったのかとか疑問点はありますがそれは最後に回収していただけることを期待して。
とにかくもうこのルートはケイトが可愛かったし、ホント素晴らしくケイトが可愛かったし、いや~例えようもないほどツンケンするケイトがハイパー可愛かったのでとにかくもう大満足です。自己を守るために他人を言葉で攻撃してまで距離を取ろうとするケイトが大変に可愛らしかったですし、自分の気持ちに偽らないで正直に進む彼のようなキャラクターは大変に好ましい。女嫌いも克服できたし、家族ともそれなりに和解できたし、そしてなにより可愛い彼女も出来たし私の頭は今猛烈にハッピーハッピーです。こんな素晴らしい出会いの機会をくれてありがとうプロデューサーさん、ありがとうアルカディア。


●双巳リョウイチ
いやーーやってくれましたねえ!リョウイチさん!!仲間を裏切って期待を裏切らない!!素晴らしい!!
自分は推理小説はほぼ推理しないまま読むタイプなので、誰も信じてないし誰も疑ってない状態で進んでましたが、正直リョウイチだけは絶対なんかあるだろと思ってたし、その発言の気味の悪さに恐怖を覚えて次第に恐怖すら超えてだんだん楽しくなってきました。ラスト辺り付近ではもうワハハ笑いながらプレイしていた。
自分は序盤も序盤で彼の発言がすごく気味が悪かったので、特段彼が抱えている設定の謎については興味がなく、興味があるのは『なぜこんな言動をするのか』だけだった。だからリョウイチがスポンサーだとバラされても「やっぱりな」としか思わなかったし、どうしてスポンサーになったのか、彼が負ってきた人生と心の変遷しか興味がなかった。
ちなみに私が序盤で引っかかった発言は以下のものである。

リョウイチ「あんたがそういうなら忘れてもいいが、これからまたそういうドラマがあるかもしれないぞ?
キスだけで済めばいいが、もっと――すごい内容の指示が出てくるかもな」
(中略)
リョウイチ「さっき手を握った時の反応やドラマの雰囲気を見て思ったんだが……」
腰に腕を回したままの状態で双巳さんは観察するように私を見ている。
リョウイチ「少しは慣れておいた方がいいんじゃないか?瀬名は……彼氏とかいるの?」
ヒヨリ「いま……せん……」
リョウイチ「やっぱり。だと思った」
ヒヨリ「どういう意味ですか……!?」
リョウイチ「不慣れなんだなぁと。はは」
(中略)
リョウイチ「あんたが緊張してるようだからちょっとからかって緊張をほぐせればと思ったんだが……逆効果だったな」

善良な大人の男性を装っておきながら、こういうことを言うのが気味が悪いし気持ち悪い。要約するとキス以上のことがドラマでさせられるかもしれないから慣れておいたほうが良いというリョウイチにとってはアドバイス的な意味でのアレだったんだろうが、私にとっては逆効果どころか好感度下がるどころかマイナスにまで達した。こういう事言われて私が思ったのは、慣れろってお前で慣れろってことか?ってことで、それはあわよくば年下の女の子と練習がてら恋愛の真似事をすることを俺は受け入れるぞっていう最低の決意表明であって、それをこんな異常な状況でも冷静で物事を俯瞰できる(フリをしている)年上の大人の男性が言ってくるのが、ただただ気味が悪かった。リョウイチのすべてを知った今ならば、この言い方ってドラマなら何をされても仕方がないって思いが透けて見える。それは『ドラマの中でならば俺とそういうことになっても仕方がないし、俺はそれで主人公を傷つけてもどうとも思わない』ってことなんだろう。この発言を受けた時はもちろんそこまで考察しては居なかったけど、だとしても、つい先日まで見ず知らずだった男性に勝手に腰に腕を回されて、言われることが『やばいことされるかもだから慣れておけ』ってどういうことだ。慣れるわけ無いだろが?
これがもし、リョウイチが清廉潔白だったのなら、『もしそういうことになったらごめん、でも覚悟しておいて』みたいな言い方になるんだろう。というか清廉潔白じゃなくても心から相手を騙すのならそういう言い方をすべきだったのだけど、リョウイチはちょいちょい信仰心や俺は悪くない悪いのはお前ら精神が漏れ出ているのが気味が悪いところだし、今思えばリョウイチはしっかりとした助平心で主人公のことを見ていたんだろう。

リョウイチ「ゆっくりとした心臓の音を聞いていると、気分が落ち着くだろ?
胎児の時に記憶が蘇る、らしい。確かに母親のお腹の中は一番安心できる場所だろうしな。
単純に鼓動の音が同調しているのかもしれない。でもこれで……俺に下心がないことも分かっただろ」

え!?どこが!?
下心がないどころかドスケベ野郎じゃん!一回りも下の付き合っても居ないJK抱きしめといて何言ってんの!?正気か!?(じゃなかった)
安心させる方法はもっと他にあるはずだし、主人公より長生きしてたらそれぐらい知ってるはず。これを善良な人間を装ってやるから気味が悪いのだ。ほらトモセやケイトみたいに大声で正直に自分の気持ちを叫んでみろ、『俺は女子高生が好きです』って。……そういう風に言われたほうが自分に正直な人間だと、好感を持って見られる。
ただこのキャラクターについては凄く良く出来ていたと思うし、ちょいちょい漏れ出てる信仰心については素晴らしく良い塩梅だったと思うので、そういうの気味の悪さは嫌いじゃない。ただ好きと言えるまでは振り切れ方が足りないが。物語の謎を小出しにする意味合いや、プレイヤーがリョウイチに対する疑念を持たせる上ではその漏れ出方はとても上手いなと思った。おかげで一度もリョウイチを信じることなく終わったのはなんだかちょっと寂しい気もするが。

あーあと裏でキョウヤのこと脅したりキョウヤだけやたらと厳しく当っていたのはとっても陰湿で良かったです。良かったと評するのも如何なもんかとは思うが、リョウイチの性格が素晴らしく表現されていたと思った。本当に何も思っていないのなら気にならなかったのだと思うが、リョウイチにとってキョウヤはなりたくてもなれなかった存在であったように思える。自分が持っていないものを持っている人を見ると妬ましい。隣の芝生は青い。……どんだけリョウイチは敗北感味わって生きてきたんだろう。まあスポンサーという立場である以上、敵側であるキョウヤに対しての攻撃は表立っては出来なかったのだが、この陰湿な攻め方が非常にリョウイチらしくてよかった。

リョウイチ「俺には分からない、何が正義かなんて。俺から見れば、お前も絶対の正義には思えない。
正義はいったいどこだ?どんな形をしている?ただ思い込んでいるだけじゃないのか?
ほら、見えなくなってきただろ?形なんてない。信じるほどのものじゃない」

両親がスポンサーで、自身も妹を無くし、それでも敵が何であろうと立ち向かおうとするキョウヤを、ドラマの役を装って責めた陰湿なリョウイチの言葉が五臓六腑に染み渡る。それほどキョウヤが眩しくて眩しくて、自分がそれに屈したのだと認めたくなくて、なんとかキョウヤを引きずり降ろそうとしているようにしか見えなかった。キョウヤもキョウヤで弱さを抱えた人間だから、罠にハマってDEADENDになってしまうのだが、自身がスポンサーだとバレてもキョウヤだけは許せなかった。きっと本人は認められなかっただろうが、キョウヤに対しての敗北感はリョウイチにとって相当耐え難いものだったのかな。キョウヤルートで傲慢な卑屈が語られていたが、リョウイチはそれを認められなかった姿なように思えた。傲慢に卑屈を振りかざしている。
しかし、リョウイチに好意を抱いた主人公が、それでも人殺しの手助けは出来ないと線引きをして、リョウイチと対話するシーンはとってもゾクゾク来て良かったです。リョウイチの真髄ここに顕る。

リョウイチ「お前がここに残ることで、これからここに呼ばれるはずだったたくさんの人間を救うんだ。
いい話じゃないか。言うなればヒーローだ。
それに、痛みなんてすぐにわからなくなる。俺が一緒にいるから。怖いことなんはなにもないよ」

本性現される前から怖かったのにこれ以上怖いことってあるんですかね。狂ってしまえよ楽になるぞ、ということなんだろうが、狂ってしまって楽になるのは逃げなんじゃないか。ヒーローという単語を出す辺り、本当にキョウヤに対して劣等感抱いてたんだなあ。その劣等感をバネに不屈の精神を構築してほしかったが、そうでなくなった姿のリョウイチを拝む事が出来たのはとても興味深かった。リョウイチは心のどこかで、キョウヤのように現状に立ち向かう姿が正しいと感じているにも関わらず、そうなれなくて他人を異世界配信に引きずり込む自分の立場と比べて、勝手に悔しくなって、それでも自分を否定しきれなくて、自己肯定するために『自分はヒーローだ』という言葉を発したように思えた。キョウヤを殺してもなお、拭えないキョウヤへの敗北感が滲み出ている。キョウヤは別にお前のことそんなに意識してないってのにさあ……そういう意味ではリョウイチの『負けた姿』を見ることが出来たのはとても興味深かった。
圧力に勝った姿に人は喜びを覚えるけど、負けた姿にも美と共感を覚える。これを良い悪いで判断することは難しいが、ここで重要なのは他人の命運が掛かってるってことだが、そこをお構いなしに自分を守ろうとしたリョウイチの感情のすべてを否定しきる感情も正直私の中にはない。ないが、……なんかやっぱりいけ好かないんだよな、個人的な好みの問題で。他人に自分の感情を預けるのはきっと楽ではあるんだろうが、そうまでしてしまったら面白いとは思えない。俺がプロデューサーになってやる、って言ったら私も彼にハイレベルの興味を抱けたんだろうが。

それでも、彼がこの狂った世界を受け入れ、称賛する理由が明かされたのは良かった。

リョウイチ「『独りになりたくないから、独りの奴を作る』んだ。
そうすれば、自分が独りじゃないってよく分かるだろ?自分が幸せだってよく分かるだろう」
明瀬さんだけに対する言葉だとは思えない。かつて通り過ぎた何かに対する、恨みの言葉に聞こえる。
(でも……原因が何だったとしても、今こうして双巳さんは独りになってる)
(双巳さんは独りになってる)

怒涛の追い打ちをかける主人公に手足痺れる。大事なことだから二回も言われてる。なんかもうかわいそうだから手加減して上げてよ。独りでも幸福な人は居るだろうが、リョウイチにとっては不幸なことなんだろうな、それは。まあその尺度に関してはお前ん中ではな、で済む話だが、リョウイチがこの世界を受け入れてしまった理由を語るシーンはやはり、共感できるものがあった。始まりは小学生の頃、きっと理由も覚えていないほど些細なことでクラスの中で孤立させられる。二度目は勝手に心の支えにしていた弟が思春期で離れていったこと。そして、スポンサーに出会い、誰よりも公平に接してくれて道を示し、リョウイチを裏切ることがなかったことで自身もスポンサーになったと。
小学生あたりの頃に除け者にされる経験は言うなれば殆どが経験する道なので、大いに共感できた。主役になれない自分を嘆く気持ちがあるのも理解できる。自分という存在がある限り、自己顕示欲というのは切り離せないものだし、そこを『狭量な自分』と称するリョウイチにも大いに共感できたし理解も出来る。ただリョウイチからは、他人から裏切られたことを嘆くばかりで、自分が信じてもらう努力をしたのかというところが殆ど見えないところがただただいけ好かないのだ。あがいて、もがいて、それでも無理だと闇に落ちる話も好きだし、逆にそこから救われる話も大好きだが、『この世界は公平じゃない』と嘆くばかりで何かを変えようと動いたのかが見えて来ない限りリョウイチはきっと独りのままなんだろう。世界は公平じゃないと嘆いたまま。当たり前じゃないのか。極端な話、リョウイチさんはスポーツ見て順位表みんな同率一位とかでも面白いんですかね。
主人公に『選んでもらった』という優劣を実感してそこに嬉しいという感情が伴っているくせに、それでも公平な世界は素晴らしいと言い続けるリョウイチ。それを崩されるのが嫌だから、主人公を一旦は拒否したんだろうが、まあものの見事にキスぶちかまされたのでやっぱり女子高生が好きだったんじゃないか……という他ない。公平なのが良いと言いながら心のどこかで他人を見下し、自分と違う意識だったと知った途端に異世界人を見下し、好いてくれる女の子にだけ心を開く……これをいけ好かないと評する他にない。
他人に傷つけられたからと言って、何の関係もない人間を傷つけてもいい理由になんてならないと思うが。まあそれでもいいとリョウイチは思ったんだろうし、そこに対して思うことはあるが、たった二度の経験で世界は公平じゃないと憎むだなんてさぞかし生きにくいのだろうなと思った。もしかしたら語られないだけで印象的な2つだけを上げたのかもしれないが、リョウイチからはそれを感じられなかった。リョウイチは他人から優しくされたことも思いやられたことも一度もなく今まで生きてきたとはとても考えにくいし、他人に傷つけられたら他人を思いやろうという気持ちを学ぶのだろうと思うが、そうはならないどこまでも独善的なところが双巳リョウイチの魅力なんだろうな。ただやることなすこと中途半端すぎる……振り切れるならもっと振り切ってくれ。

ラストは主人公の説得や諸々の展開が在って、主人公を信じる事に決めた。ここで射落が「信仰の対象を主人公に変えるのか?」と厳しいお言葉を掛けてくれるのがとても良かった。的を射ている。もっと責めても良いっすよ。
ここでリョウイチがそんな簡単に宗旨替え出来ない、主人公は二番目というのだが、ほんとこの人最後まで何を言っているのかわからなかった。世界観変えられるぐらいにまでそこそこ長い間心酔していたくせして、ぽっと出の主人公の言葉と行動にフニャフニャにされておいて何を言ってるんだ?運命の女の子見つけたから宗教やめますじゃかっこ悪いとでも思ってるんだろうか?左手薬指専用の指輪作ってるやつの言うことなのかそれは?こんな事になっておいてプロデューサーが一番なわけ無いだろ主人公が一番に決まっているだろうが一体何を言ってるんだ。

まあここまで語ったけどリョウイチの感情は大体理解できたが、一番理解できなかったのはそれでもリョウイチを好きになった主人公の感情の流れだった。年上のお兄さんに優しくされることは魅力的だろうが、描写やエピソードが足りなすぎて、敢えて辛辣な言い方をするが、キョウヤを殺したあともリョウイチを信じようとしていたのは正直結構引いたしあまり理解も納得もできなかった。それでもなんとか耐えられたのは、キョウヤの一件を「許せない」と線引いてくれたからだった。あそこがなければ結構納得の行かないまま進んでしまった気がする。
リョウイチに確認したいのは、もし自分が独りにする相手を選べる立場だったら痛みも感じずに何の迷いも苦悩もなく生きられていたのか?ということ。独りにされる痛みを知ったから嘆き悲しんでいるけど、じゃあ選べる立場だったら本当に誰も選択しなかったのだろうか。何の関係もない赤の他人を巻き込み、自分と違うと知った途端異世界人を見下すリョウイチが、自分を守るために独りにする人を選ばないとは、私は到底思えない。

主人公が異世界側に堕ちるEDも見てみたい気もするが、なんというかリョウイチは信仰してるって言う割には信仰心足りなさすぎて、堕とされるならもっとマジヤバでガチヤバなやつにやってもらいたいので、リョウイチさんは追い苦悩して今の数百倍ぐらいはのたうち回って痛覚どころか闇の感情しかなくなるぐらい堕ち直してきてもらえますでしょうか。よろしくおねがいします。


●茅ヶ裂マモル
初っ端からネタバレをかますが、異世界人と人間のハーフとのことで、もうどうやって子供作ったのかその過程が気になって頭の中ぐるぐる回ってたので恋愛模様に関してはちょっとスルーしてしまった。それでもリョウイチルートよりは優しく穏やかで誰にも見せずに苦悩している彼に惹かれるのは理解できたが。
彼のルートも色々伏線が貼られているのは感心した。味覚に関すること、聴覚に関すること、やたらと固執する違和感のある右腕……などなど。この謎を散りばめつつ回収していく様は他のルート同様、わざとらしくなくうまい回収の仕方で、かつ主人公とのやり取りもあってとても楽しく見ることが出来た。
異世界人はどちらかと言えば、過激であればあるほど感情が揺さぶられて楽しめるのだろうが、彼の本質はそれとは真逆で、穏やかで思いやりがあるのでなんとも切なくて良い。逆に彼との対比で、リョウイチのほうが過激で他人などどうでもいいと思いがちなのが面白い。どっちが異世界人なのかわからないですね。どっちも人間なのか、どっちも異世界人なのか、それともどちらでもないのか。
右腕を大切にする理由は切なさを極めていて良かった。自分が生まれてきた理由を考え、愛情があって生まれてきた証なのだと、異世界人化している右腕を『自分である』と捉えて大切にしている。それでも過去の映像を見て、狂人になってしまったように見える母の姿を見て落胆し、自分を愛してくれる存在などいないと諦めたところに現れたのが主人公だった。主人公も異世界人の本当の姿を見て具合が悪くなってしまったり、それを見て『自分は受け入れられない』のだともらいゲロが如く具合の悪くなるマモルを見るのは心苦しかった。もちろんこの話は主人公がマモルを受け入れてこそ輝くし、そういうラストで終えられるのだけど、厳しいことを言うと、もし右腕とそれ以外の状態が反転していても主人公は好きになったのか?と問いたい。異世界人化しているのが右腕以外で、それでもなおマモルの内側が同じでも主人公は同様に愛することが出来たのだろうか。到底受け入れられない異物を受け入れ、自分と全く違う生物であることを理解し受け入れ、それでもマモルのことが好きなのだと、そう言ってくれる展開のほうが見てみたかった。まあ乙女ゲーである以上そういう展開がウケないと言われてしまえばそれまでだが、このテーマでそれを扱う以上、そこまで描いてほしかったなという気持ちを捨てる事が出来なかった。
だから、最後に自分の個性である右腕を切り離してしまった彼を見て、私はなんとも言えない気持ちになった。それはマモル自身の個性で、ずっと大切にしてきたものであって、例え主人公とは違うものであろうと、なかろうと、そのまま大切にするべきだったんじゃないのかな。それこそがマモルの苦悩であったとは思うが、その体で生まれてきて与えられて、今のマモルを形成してくれた大切なマモルの一部であるように思えたので。

そうそう、リョウイチは自らスポンサーになった人間だが、マモルはスポンサーにならざるを得なかった半異世界人で、この対比は面白かった。中身もほぼ真逆なのが色々と考えさせられるものがあってとても良い。ラストシーンも対比していて、マモルは過去の自分と決別して、新しく生まれ変わることに決めてこの世界に終止符を打とうとする。どこまでも対比していてその点がすごく面白かった。

マモル「あなたと生きる世界は、幸せに満ち溢れていますね。どんな傷も、苦しみも、怖くない。
小さなことに思えます。生きることは幸福です。……あなたがいれば」

若干危険な考え方なようにも思えるが、愛する存在を得て世界が変わるのは乙女ゲーにとても相応しい。でも誰しも心の拠り所を持って生きているものだし、誰にも愛されず誰も愛することも出来ずただ漠然と生きるしかなかったマモルが唯一手にしたかったものを手に入れられたのは良かったなと思ったし、心温まった。

いや、しかし、本当に……どうやって子供作ったんだろ……エロゲ脳なのでそればかり気になってしまう。
(追記:裏バレブック読んだら解決しました。とりあえず私のエロゲ脳が心配するようなことは無くてほっとしたような、種のそういうことを超えなくて残念なような……)


お次は残りの3名です。実は初見の段階だとメイが最萌だったのが自分でも意外だったが、なんかとんでもない闇抱えてそうじゃないですか?いや抱えて無くてもいいんだが、なんかこういう中間管理職タイプを好きになってしまう傾向にある。気がする。ソウタは辛辣な言葉を投げるが、言っていることは至極まっとうで、話が進まなくなりそうな時に素晴らしいタイミングで投下してくるので大好きです。自分に正直に生きてそうなやつが好きなんだ私は。タクミについては私のショタコンセンサーがあんまり引っかからないのが残念。でも12歳の小学生なら間違いなくショタなのでタクミくんは胸を張っていい。これで中学生だったら私は膝に土を付けて倒れ込みながらおいおいと嘆き悲しむが。