玄徳ルート クリア +総評

【※下記感想および個別キャラ感想はすべてPC版を攻略した時のものです。】


最初は親切な人だな、と思っていたわけです、ええ。
それが最終的にああいうことになるなんて思っていなかったわけです、はい。


過去へ飛ばされる流れまでは、やはりほぼ共通でした。
一緒にお絵かきするエピソードで画伯一歩手前の玄徳の絵を拝むことが出来たり、微笑ましい話ばかりだった。もともと玄徳は身元の知れぬ主人公をサラリと自軍に迎え入れたり、懐の広さっぷりをアピールしてこられたのでひたすら良い人だなあという印象でここまできた。孟徳なんてBADで部屋に閉じ込めたり、妾部屋にぶち込んだりしてましたからね。

一度孟徳に捉えられるも、ぬるりとスルーし玄徳軍へと帰還。赤壁の戦いで本を取り戻して一緒に過去へ。ここらへんの適応力は是非とも文若あたりに見習って欲しいものがあったほど、冷静で適切な対処なように感じた。びっくりするほど早々と黄巾党の反乱を成功させ、スムーズに帝を救出。BADではあるが帝を育てるEDもあったのも楽しかった。

無事に二人で帰還後は、次第にお互いが気になりだしたご様子。それにプラスして芙蓉姫の恋話も混じっていたのが面白かった。他のルートでは殆ど女の子と絡まないので、とても新鮮だった。

しかし、呉軍から尚香との婚約の話しが浮上する。まあ言わずもがな、公瑾の罠です。これももう何度目だ、ようやるなあ。
嫁いできた偽尚香(化け早安)となんやかんやで仲良くすることになり、胃を痛める主人公。プレイヤー(私)は偽物だと分かっているとはいえ、痛々しい展開。好きな人の嫁さんと仲良くするのは、妾部屋にぶち込まれるに近しいものがある。あっちなんて数えきれないぐらいの妾でしたからね、妾御殿だからスケールが違う。

ただ二週目で分かるが、玄徳は嫁が偽物だと分かっており、表向きだけは呉軍との関係良好に努めるために振りを続けていながら、いつか帰ってしまう主人公を思うという大変もどかしいことに。主人公も主人公で嫁を娶った玄徳に苦い気持ちを抱くというすれ違いに、もやもやしつつも心臓がぎゅっとなる思いであった。我慢してない人も居れば(主に妾的な意味で)、徹底的に我慢する人もいるんだなあと思った。

帝を救出後、無事にことが進むかと思いきやついに偽尚香が本性を表し、主人公を人質にとる。本を開いて帰ろうとする主人公を制止して、見事時間稼ぎに成功。無事に助け出したかと思いきや、傷だらけのまま主人公をお姫様抱っこで自室に連れて行く。
い、いきなり、ど、どうしたんすか玄徳さん、という私の気持ちもなんのその、自室に閉じ込めたあとは扉に追い詰めるようにしてお互いの気持ちを確かめあう玄徳と主人公。まさかこんな急激な展開で気持ちを確かめ合うとは思っておらず、びっくりどっきりしていたところに玄徳が「待たない」と主人公にキスをする。

待たないって、あぁた。


玄徳の気持ち爆発現場を見せつけられあと、ED。
エピローグはこの世界で生きると決めた主人公が本を燃やそうとすると、本が消えて、玄徳に「お前一人を愛し続ける」と言ってもらう。

妾が居ないって、こういうことなのね。


玄徳自身はよかったものの、話しがもう少し盛り上がりのあるものであればよかったなあと思った。孟徳の最後のあの嘘をつくつかないのやりとりは展開が読めずハラハラドキドキしたものですが。嫁が来ても偽物だとプレイヤーは分かってしまっているから、まあどうせ偽物だとバレるんだろうな、と予想出来てしまったのがなんだか勿体無いなと思った。逆に敢えて公瑾の茶々入れではなく、本物の尚香がやって来た展開の方が気持ち的な意味でも盛り上がれたように思う。ライターがどんな展開にしてくれるのかも面白くなりそうだなとも思えるので。

いやしかし、待たないには少々びっくりした。待っているというより我慢している感じだったが、ゲリラ的な人なんだと思った。



●総評
・システムについて

基本の音量設定などの他にも、既読メッセージの色を変えられる、単語をクリックすればすぐ意味がわかる用語辞典、そしてなにより気に入った台詞を登録出来るボイスコレクションの機能など、非常に使い勝手のいい便利な機能で充実していた。文句なし、といいたいところだけど周回プレイを意識しているのならジャンプ機能は欲しい。スキップを押しても選択肢に当たるとスキップ解除になるのも面倒だった。
あと好感度システムはさほど意味の有るように思えなかった。好感度でボイスが変わるのは面白かったが、ストーリー的にまだ仲良くなってないのに好感度が上がって、もうあなたを離さないみたいなことを言われて疑問符を脇に抱えまくりました。
軍議システムについては、あっても無くても、という個人的には微妙な印象だった。連続ででるのでスキップを何回も止められて結構もたつく。内容についても選択制なので、他の選択肢の分岐とさほど変わらなかったのが残念。「ゲームシステム」と呼ぶにはゲーム性が足りなかったように感じました。

・シナリオについて
キャラは生きてるし、それぞれ展開が違って面白かったんですが、いつ好きになったのかよく分からないというのが個人的には難点だった。一緒に過去にとんで以降の展開はそれぞれ違いますが、それまでの過去へ飛んで仲良くなっていく、という展開が全員一緒で正直またかと思った。過去へ飛んでいる時間が1ヶ月近くあるようなのでそこで仲良くなったんだろうなあとは思うが、描写が表現されていないのでわけのわからんうちに好きになられてたというのはあった(キャラだけでなく、主人公も)。
あと最初の方で、人間の生と死について考えることがあったが、それ以降はあまり悩む様子もなく、とりあえず「人をむやみに殺したくない」という意志で動いているように感じられたのもどうかなあと(その割には本の策に頼る場面が多かった)。一部のキャラによっては帰る、帰らないについて悩まず速攻で三国の世界に残ると言っていたのもおったまげました。
とはいえ劇的で引き込まれる展開が多く、キャラクターにも味があって画面に汚い笑顔を振りまけたのも事実でした。話しがまとまっているので、納得出来たりすることは多かったと思います。

・グラフィックについて
ある意味、今時らしからぬキャラデザだっとは思いますが、逆にそれが新鮮味があって良かったと思う。塗りも丁寧で枚数も多いけれども、ただたまに誰?と思うほど崩れていたものもあった。特に雲長の横顔にはびっくらこいた。


とても楽しかったです、三国恋戦記。比較的安心して人に勧められるゲームだと思います。キャラクター数も充実しているし、ストーリーもキャラもそれぞれ味があってとても面白かった。
ただやっぱり乙女ゲー仕様なので人の生死については生ぬるかったり、基本スルーしたりするのが多かった。そういうのが駄目な人は駄目なゲームなのかも知れない。あと孟徳に関しては相手一筋が原則の乙女ゲーで掟破りの妾御殿でしたんで、そういう意味でダメな人もいるかもしれない。

個人的な好きキャラは、孔明、文若、孟徳。全員同着です。一人に決めろと言われたら苦しみます。




本当はカエルがやりたいなあと思っていたのですが、お金が無いので積みゲー消費をしようと思う。
恋戦記は「面白いと思えるゲームに出会いたい」と思って買って、見事それが達成されたので、今度はまた初心に帰って(?)ユアメモでもいっちょ再プレイしようかなと思う。女とのバトル直前に男に逃げられる、という貴重なお話にであえた衝撃を今後超えることが出来るか。
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