全力で頭を抱える日記

おもに乙女ゲームの感想を中心に。ネタバレご注意。

25 2017

月野原久遠、香椎玲音ルート 感想

アニメ版が好きすぎてゲーム版へのハードルもガバガバどころかハードルをバッキバキのこっなごなにぶっ壊した自覚が芽生えてきた。特にヤリチン描写がでてきても普通にスルーしている自分が居ることに気づいたのは思わずハッとした。今までの私なら怒髪天を衝く勢いで怒りを込めながらキーボードを叩いているもんだけど、右画面でアニメ版を流しながら左画面でカチカチやっていると空間が歪んでくる。感覚が捻れる。元から稼働率がヤバイ思考能力がさらに鈍行列車になる。


●月野原久遠ルート
好きな女の子が居たけどその女の子も歪んでて久遠の気を引くために別の男と寝て、その真っ最中に遭遇して相手の男を半殺しにしてその女の子も首を締めたらしく、すっげえヤベエ奴が来たぞ逃げろ~~!と胸が踊ったもんだけど、口で語られるだけでその描写があるわけでもなく、スチルがあるわけでもなく、そしてBADでさえ実際にヤバイことにはならんかったのは物足りなかった。物足りないと感じている自分に居ることに気がついた時だいぶダイナミックコードキメすぎたなと思ったけど、でもBADで主人公が元カノとおんなじように別の男の気を引いてまたズブズブの共依存関係になってもそれはそれで美味しいなあと思ったんだが、そういう展開にはならなかったなあ。
でもここまで堕ちたならどこまでも堕ちるところに美しさのようものを感じないでもないので、いつまでも久遠に縋る元カノの存在のほうが面白かった。本編で落ち着いたと思ったらアンコールシナリオでも出てきたときは流石に引っ張りすぎだろと思ったけど。
ちなみに相手の男を半殺しにしたのは親の権力でいい感じに誤魔化してもらったらしい。ヒーローとは真逆を爆走しているような感じなのはむしろ惚れ惚れする。

重い設定の割には描写があっさりしているので、なんとも感情移入が乗らないのがキツい。これは低価格なので文量が少ないのはまだ納得が出来るんだけど、それでも物語として感情移入できるかは別問題で。久遠も久遠で代議士と弁護士の両親からの期待と重圧がすごくて病んで縋る存在が欲しかっただけなんだなとわかるだけまだマシなのか。しかしそれも具体的に久遠から言及されたわけではなく、描写から「察しろ」状態なのは乾いた笑みがでた。アニメも視聴者ぶん投げなのでこの空気感は嫌いじゃなかったですが。

このルートで亜貴ちゃんが「好きになっては行けない人を好きになってしまった」っていうのは、久遠だと断定できるわけではないのだけど、この描写だと確かに久遠だと取られかねない。というのも久遠が主人公に惹かれているに連れて亜貴ちゃんが体調崩してどんどん病んで行かれてしまうから。亜貴ちゃんはあんなヤベエ歌詞を書くのに、中身は乙女ですね。いや、乙女だからこそあんなヤベエ歌詞が出来上がるのか。
この描写がつむぎルートの時もあったら矢印を主人公にも向けられたんだろうけど、亜貴ちゃんが病むのは久遠ルートだけだったので。亜貴ちゃん本人のルートで、これをどう理由付けするのかは今からの楽しみでもある。

・アンコール
上述したけど、本編でも揉めた元カノの話をアンコールでも引っ張り出されたのは流石に萎えた。よっぽどネタがなかったのか、かなり引き伸ばされてていい加減元カノさんを新しい道へ開放して差し上げて欲しかったです。
ちなみにダイナミックコードの皆さんはセックスしないと死ぬ病に罹っている感じがするので、セックスはしていた(定時報告)。ただつむぎルートのような同情セックス的なものはなく、久遠は『ちゃんと大切にしたい』と中々至らなかったけど、どうしてその優しさを君がヤり捨てた女の子に少しでも向けられなかったんでしょうかね……。
ちなみに初おセックスでとある理由でペンギンへアーから髪を黒く染めていたんだけど、こちらのほうが超絶好みで不覚にもときめいてしまったのが大変悔やまれる……いや乙女ゲーをしているのにときめいたら何故悔やまれるのだろうか……。


●香椎玲音ルート
上記でも語ったけど、萌えるつもりは全くなかったんだけど、ときめいてしまった。乙女ゲーでときめいているのは間違いじゃないのになんかすごい間違ってる気分になるのは何故なのか。

相変わらず描写の量はお察しのとおりなんだけど、玲音には主人公と幼馴染+昔付き合ってた過去があったという基盤が出来ているからお互いの心理状態が分かりやすいし察しやすい。過去エピソードもちらちらと良いタイミングで挿入されて感情移入への違和感が本当に無かった。
ヒーローのつらい過去をヒロインが癒やすっていう少女漫画のテンプレなんだけど、テンプレは言い換えれば王道だし、そういう意味でのメイン感がとても良かった。しかしメガネ外してオシャレしただけで見違えるように可愛くなるヒロインには毎度のこと笑ってしまう。メガネを外しても目が3にしかならない私に少し分けて頂きたい。

玲音の末っ子、弟属性の甘えっ子な部分も良かった。可愛くなった主人公を見て自分だけが知っていた主人公の可愛さを知られて嫉妬とかいろいろな感情から『ぶす』と言われたのは真意がわかっていても怒髪天だったけど、そういう小学生時代で止まっている感じなのは魅力な気がする。一つ一つ壁を越える度に甘えん坊な部分が溢れ出て来て、どんどん素直になって心が開いていっている様子が見られるのはなんだか微笑ましかった。
とにかく香椎家は子供が育つには劣悪な環境だったっぽいし、これもお察しください程度の描写でしか無かったけど、玲音に荒れた過去があったり女遊びが激しかったり自分をコントロール出来なかった時期があったのが理解も納得も出来なくはなかった。できれば描写を重くしてほしくはあったけど、価格を考えれば納得できてしまうのは、やはり惜しいところ。

あと他のルートと違うのは、主人公の対応が対等である点。過去の気まずさから序盤こそ色々あったけど、仲良くなっていくに連れて幼馴染だと分かる距離の近さが会話の端々から見てとれて、そこを見守るのは割りと温かい気持ちになった。まさかダイナミックコードでこんな温かい気持ちにさせてもらえるとは思わなくて本当に驚愕している。そして幼馴染で良かったことと悪かったことを語ったりしていて、ちゃんと設定が大事にされている点も良かった。

ちなみに玲音が作曲で悩むシーンは割りと長かったけど、どこをどう悩んでいたのか全く表現されなくてダイナミックコード感を感じて全然嬉しさを感じるところじゃないですが嬉しかったです。音楽とかバンドシーンはあっさりしてますが、それもまあ、ご愛嬌だろうか……ご愛嬌だけで済まされるのはかなり物足りないが。

・アンコール
卒業ライブで主人公にもキーボードを担当して欲しいと言ってくれたのはやっと役割を与えられたような気がしてなぜだか嬉しかった。ほぼ棒立ちで曲の感想を言うぐらいしか役割がなかった主人公に、やっと裏で何をやっているのか分かる役割を与えてくれた嬉しさです、多分。主人公にそんな依頼をしておきながら主人公がバレンタインデーを忘れていたら無視をキメてくるほど怒っていた。彼は小学生で精神が止まっているのかもしれないが、彼の家庭環境な部分もあるのでお察ししよう。お察しするのは得意ですよ私。
玲音も『好きだから抱けない。大切にしたい。でも性欲があるから早めに決意キメてくれ』って言われたのは震えるほど笑った。この世界の性欲、睡眠欲の500倍ぐらいは強い気がする。

あ、何故オッドアイなのかは最後まで明かされなかったなあ。


流れや設定に大きな綻びがあるわけではなく、理解が出来ないような状態のキャラが居るわけでもないんだけど、やっぱり描写不足で感情移入がしづらいなあ。あと重苦しい設定の割にはあっさりすぎる描写は、感情移入をさらに阻んでいる気がする。これだけ重たい設定だったらやはりR18にしてありとあらゆる描写をドロドロのグチャグチャに表現していただきたかったんですが、ダイナミックコード自体の売り出し方とこの価格では、物足りなさを感じるものの『納得できないものではない』ことは少々寂しさを感じるところであります。
あと皆闇抱えて生きていて生い立ちとかもヤバい奴しか居ないんですが、生い立ちヤバくなくてこの惨状だったら潜在能力が高すぎるのでむしろこれはこれで良かったのではと思えるようになった。

ラストは亜貴ちゃんです。その狂った歌詞センスに色んな意味で虜になる人も少なくないですが、個人的には激甘なラブラブ歌詞も書いてほしい。その上でこういう狂った歌詞を書いてこそはじめて亜貴ちゃんの歌詞は活きてくると思うんですが、如何でしょうかルシファーさん。
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