全力で頭を抱える日記

おもに乙女ゲームの感想を中心に。ネタバレご注意。

03 2017

スレン、ナランルート 感想

PC→コンシューマに移植後また追加要素をプラスしてまたPCで出すと言うので、プレイすることに。OperettaはドラマCDでは何回か聴いてたのでそこまで久しぶりな気もしなかったのだけど、ゲームとして考えれば2011年のNOISE以来で結構経ってた。このブログをやっていて感想を書く上でメーカーに問い合わせたのは後にも先にもおそらくNOISEだけです。理由はプレイしたら分かることなので割愛します。あの感想でも色々言ったけど、楽しめたところも多かったんだよなあ。

それはともかく。
R18乙女は一年ぶりなんだけど、もう遠い昔にやったような感覚になった。というのも、腐死という女ばかりが罹る病気で女性が少なくなり困った隣国に集団誘拐されるっていうエロゲのようなシチュエーションに(いやエロゲなんだけど)、自分が真っ先に考えたことは『うおー陵辱シーンから始まるのか!乙女ゲーもやるなあ!』

………………陵辱シーンなんてものは来なかった。

来なかったどころか『隣国に勝手に連れてきてマジサーセンお詫びにもならないけど結婚は女性側が決めていいし強姦なんてされたら男側マジ死罪にするからまあ気楽にしてってや(意訳)』と王様に頭を下げられた時点で私は「ここは楽園か!!!めっちゃ優しい!陵辱シチュフルコンボみたいなもんなのに陵辱されない!!楽園か!!もうここにいよう主人公さん!!」って思ってしまった。思い返せばこれの前にプレイしていた男性向けR18が陵辱大収穫祭みたいなもんだったから、自分でも気が付かぬ内になにかとてつもなく大切なものを失ったような気がして胸が痛んだ。この胸の痛み方は間違っている。

そんなわけで越えざるも良くも悪くも普通の乙女ゲーだったんだけど、やっぱり女性に向けるゲームはそれなりの配慮が必要なんかなーと思ったり思わなかったり。いや、別に陵辱シーンが好きなわけではないし、これはこれで楽しんだのでオッケーではあるのだけど。やっぱ乙女ゲーで男性向けの表現を見てみたいって気持ちが拭えない、逆もそうなんだけども。


●スレンルート
おそらく越えざるでスレン、ノール当たりが一番主人公に風当たり厳しいんだろうなっていう勝手な予想をしているし、スレンは最初からナァラを狙っていて、陵辱シーンに一番近い人なんだろうなって想ってたけど、っっマーー優しい人だった!滅茶苦茶人間出来てた!言動がちょっと荒いだけで、裏で色々皆を守るために画策したり、とにかく主人公に自分を愛してもらうためにこっそり行動してたりしてでかい図体した軍事司令官なのに行動がいじらしい。
最初のエロシーンは陵辱シーンとも言えなくもないが(一応和姦ではある)、それでも勝手に突っ込んだりせず処女の主人公相手にわざわざ薬持って来たりして、主人公が色々喧嘩売ったりしてもとんでもないプレイに踏み込んだり乱暴にすると言ったことも無かった。乙女向けってスゲーマジスゲーとよくわからない部分でテンションが上がっていた。

スレンは本当に人間として良く出来すぎている。
平民の出であるにもかかわらず、軍事司令官まで上り詰める。とてもすごい。
その理由の一つも、軍事司令官になれば貴族になれる、貴族になれば「結婚して子供を産んだ平民はまた別の男へ嫁がなければならない」っていう本末転倒過ぎない?っていう法律に引っかからなくなるから。
将来の自分の嫁のためにちゃんと部屋を用意して(ナスラでは夫婦は同じ部屋になるのが普通だけどわざわざ別部屋を用意してくれている)、しかも心苦しくないようにと小物をこっそり置いたりしている。主人公が好きな食べ物をこっそり取りに行ったりしてくれている。ナランルートでは弟分であるナランに遺産を全部残す手紙を残して、主人公の気持ちを察して身を引く潔さよ。

そんな感じで「スレンが人間出来すぎててヤバイ」と震えながらつぶやく私に最後の最後まで完成された男性だった。
出だしは最悪で主人公も勝手に隣国へ連れてきやがって!勝手に嫁にしやがって!という態度をとるのだけど、各国の情勢を考えればナスラの行動はまあ真っ当だろうし、同意なしにヤラれることも想定出来たはずなのに女性の気持ちを尊重してくれるのはちゃんとしたところだなと。スレンも主人公の友人のシャルの勝手な行動を逆手に取って主人公を嫁にするけど、それは悪く言えばシャルの考えが至らなすぎた行動の結果であって、その結果を踏まえて主人公が動いていた結末なのだから、スレンはちゃんとルールに則ってやっている。倫理的にどうなのかと言えば人それぞれの判断だと思うけど、スレンが外道な行動をしたことは作中では見られなかった気がする。

なんだかんだでどんどん距離が近くなる描写も違和感は無かったし、二人が近づいていく様子を見ているのは心が温まった。
ただし、これは本当に申し訳ないことだが、萌えるというよりは、人間としてよく出来た人が真っ当に幸せになっていくのを眺めて良い気分になって終わった。どちらかと言えば私はスレンを好きなナァラを好きになってしまったナランが苦悩するシーンが一番美味しかったのだ……。
でも暖かな気持ちに慣れたし、多分全ルートで一番スレンとくっつくのが幸せになれるような気がする。ツンデレな主人公も可愛らしかったし、突っ張った言いあいも見ていて楽しかった。お似合いだった。

幾つかBADもあったけど、印象に残ったのはナランと3Pすることになる「壊れた鳥」と、なんやかんやで自国に戻った主人公が敗戦の将になってスレンを思って自殺する「秘めた告白」。
壊れた鳥はなんかよくわからなかったけどいつの間にか3Pしてた。というのもナランがナァラに横恋慕してナァラもナァラで上手くそれを断れず、スレンにそのことを伝えられず、スレンはすべてを知っていて強制的にナァラとナランをセックスさせるっていう。納得行かなかったのはスレンの性格ならさっさと関係正しちゃいそうなんだけど、そこそこ長い間二人を泳がしていた。でも別にセックスしてたっぽいわけじゃないしナァラもナランにそこまで積極的かと言われるとそうでもないしで、なんかハッキリしてくれと思いながら見ていた。スレンより立場が下のナァラ、ナランが苦しむのはまだ分かるけど、スレンだったら泳がせないで問い詰めるようなきがする。それほどナァラに裏切られたことがショックだったのだと勝手に解釈にした。
ちなみにこのエロシーンでも「良かったじゃんナラン、セックス出来たじゃん。棚ぼたじゃん」って思った自分はどこで失ったものを取り戻せるでしょうか。でもこのシーンでのナランは「主人公を傷つけたくない」って言っていて、うだうだしてケジメをつけなかった結果がこれなのにどの口がそれを言うんですかねと。一番可哀想なのは浮気されたスレンなのではと思ったので、これを言われた時のスレンの心情を思うと泣ける。

秘めた告白EDは萌えた。とても萌えた。展開があっさりだったのが悲しかったけど、このスレンとの関係性で、スレンの目の前で敵国の王族としてケジメをつけるEDが欲しいと思っていたので。なによりスレンもナァラもお互いを愛したままなのがとてもいい。どうせならこの後のスレンがどうなったのかも見たかった。


●ナランルート
どちらかと言えば私はスレンよりナランの方が見た目も中身も好みなんだけど、ナランルートはいまいち萌えなかった。というのも、ナランルートに入る頃の感情は既にスレンに気持ちが傾いているような気がするので、主人公の感情に寄ってではなく、選択肢に寄って主人公の感情が決められたような気がしてしまった。

ナランは横恋慕してやきもきしてる時が一番輝いている。自分の大切にしている兄貴分の嫁を好きになってしまって、どちらも裏切れなくてやきもきして焦れているナランが一番旨味成分たっぷりだった。美味しかった。可愛かった。
あと単純にスレンが人間出来すぎていてナランの存在が負けている気がする。ナランもナランで良いキャラしているとは思うが、スレンに比べてインパクトがないのでどうしてもスレンに心情が寄ってしまうというか。あと気持ちにケジメをつけられないナランを見たあとでスレンがきっちり感情に折り合いつけてナランを救ってくれるので、試合に勝って勝負に負けた的な感じはしている。

スレンが居なくなった後はしっかりしている描写が続いたんだけど、それと同時に私の中の彼への興味も失ってしまった。私は揺らいでぐらぐらしてどうしようもなくなってどうにも出来ずに居るナランが好きなのであって、しっかりしている枠はもうスレンで埋まってしまっているのだ。だから安心感はあっても萌えのような感情は全く無くなってしまって少々寂しかった。
EDでは7年も我慢したらしくて笑った。ちなみにこの7年は軍事司令官(=貴族)になるためで、あの法律さえ無かったら何人子供産めたんだよって感じなので、ホント変な法律だなって思って終わった。何の感想だこれ。


スレンとトーヤの関係性とか過去描写とかもっと出てくるのかと思ったけど、随分あっさりしていた印象。さくさく出来るのはありがたくもあるんだけど、もうちょっと長くプレイして居たかった。面白かったと思えただけに。
あと本当に自分は思考が男性向けに寄り過ぎてたことを自覚したので、これを機会に徐々に女性向けに戻していきたい。中間が一番楽しめるような気がする。いやでもこの状況で陵辱シーンがないとか……すごくないですか……いいところだよナスラ。みんなおいでよナスラ。治安悪そうだけど、トーヤがきっとなんとかしてくれるよそのうち。
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