全力で頭を抱える日記

おもに乙女ゲームの感想を中心に。ネタバレご注意。

12 2019

獲端ケイト、双巳リョウイチ、茅ヶ裂マモル ルート 感想

一応公式の推奨攻略順とやらに沿って攻略しているんだがなかなかのジェットコースターで目が回っているそんな今。


●獲端ケイト
ケイト可愛いよケイト。攻略中私はずっと彼のことを可愛いとしか言っていなかった。脳内ずっと可愛いでしか埋まってなかった。ほんと可愛いぞケイト、天性の可愛さ!キュート!プリティー!ずっとそのままでいてくれ!

物語の謎としての絡みは、序盤で伏線がはられていた左腕の謎と前回参加者ってことぐらいなだけで、根幹に大きく関わってくることはなかった。というかそれ以上にケイトは私の好み過ぎて、割とそういうことどうでも良くなっていたし、ここまで本音で周りを威嚇し自分に傷を付けられまいとしている人間がスポンサーやプロデューサーさんとはとても考えられなかった。そういう意味ではコレ以上ないほど清廉潔白でしたねケイトさん。
割と序盤で主人公だけに前回参加者で左腕が奪われたことを告げるのだけど、もうその時点でケイトは主人公のことをある程度信頼していたのだろうし、気持ちが寄っていたんだろう。周りにろくな女がいなかったケイトを思えば、心優しく気遣い出来て純粋な主人公を見てイライラしつつも惹かれてしまう気持ちもよく分かる。そんな純粋な主人公を見て、『馬鹿だ』と思う気持ちと『傷ついてほしくない』という相反するような気持ちが同居していたのだろうか。どちらにせよ前回参加者なだけあって情報的な意味ではとても有利な立場だったろうし、早々に主人公に何の裏もないことを見抜いていた。他人を傷つけたくないからとペナルティーを受ける主人公を見て、思うところも多く在ったのだろうし。

ツンケンしながら周りに毒を吐き近寄らせまいと敵意をむき出しにしながらも、主人公も負けじとケンカップルな如く言い合う様子は本当にもう眩しくてニコニコしながら見ていた。対等な関係性で居て、強い言葉で威嚇するケイトに応戦する主人公も可愛くて良かったなあ。強いケイトの言葉に凹むこともあるのだけど、ほのかに垣間見えるケイトの優しさにも気づいてくれるし、喧嘩する二人をよそに心温まりながらその様子を眺めていた。
それでいて、きちんとケイトが料理が得意な理由と女性嫌いな理由も明かされていく。特に料理が得意になった理由については、誰かが食べてくれることを常に意識しているからとても胸に来た。同じく料理が好きな人間としては、自分を含んだ誰かのために創ることの重みもよく分かるし、そこに思いをのせていたケイトの感情がとても響いた。

ラストは嫌がらせのごとくケイトが左腕を失うことになったドラマの再演を勝手に仕掛けてくるディレクターもナイスアシストで良かった。いや~~~ほんとこの世界恋のキューピッドの仕事ぶりには感動すら覚えるっす。キスシーンのあるドラマで、主人公が飛び入り参加して無事二人だけご帰還のハッピーエンドでした。なぜ二人だけなのかとか、なぜケイトだけ色んな意味での甘々判定だったのかとか疑問点はありますがそれは最後に回収していただけることを期待して。
とにかくもうこのルートはケイトが可愛かったし、ホント素晴らしくケイトが可愛かったし、いや~例えようもないほどツンケンするケイトがハイパー可愛かったのでとにかくもう大満足です。自己を守るために他人を言葉で攻撃してまで距離を取ろうとするケイトが大変に可愛らしかったですし、自分の気持ちに偽らないで正直に進む彼のようなキャラクターは大変に好ましい。女嫌いも克服できたし、家族ともそれなりに和解できたし、そしてなにより可愛い彼女も出来たし私の頭は今猛烈にハッピーハッピーです。こんな素晴らしい出会いの機会をくれてありがとうプロデューサーさん、ありがとうアルカディア。


●双巳リョウイチ
いやーーやってくれましたねえ!リョウイチさん!!仲間を裏切って期待を裏切らない!!素晴らしい!!
自分は推理小説はほぼ推理しないまま読むタイプなので、誰も信じてないし誰も疑ってない状態で進んでましたが、正直リョウイチだけは絶対なんかあるだろと思ってたし、その発言の気味の悪さに恐怖を覚えて次第に恐怖すら超えてだんだん楽しくなってきました。ラスト辺り付近ではもうワハハ笑いながらプレイしていた。
自分は序盤も序盤で彼の発言がすごく気味が悪かったので、特段彼が抱えている設定の謎については興味がなく、興味があるのは『なぜこんな言動をするのか』だけだった。だからリョウイチがスポンサーだとバラされても「やっぱりな」としか思わなかったし、どうしてスポンサーになったのか、彼が負ってきた人生と心の変遷しか興味がなかった。
ちなみに私が序盤で引っかかった発言は以下のものである。

リョウイチ「あんたがそういうなら忘れてもいいが、これからまたそういうドラマがあるかもしれないぞ?
キスだけで済めばいいが、もっと――すごい内容の指示が出てくるかもな」
(中略)
リョウイチ「さっき手を握った時の反応やドラマの雰囲気を見て思ったんだが……」
腰に腕を回したままの状態で双巳さんは観察するように私を見ている。
リョウイチ「少しは慣れておいた方がいいんじゃないか?瀬名は……彼氏とかいるの?」
ヒヨリ「いま……せん……」
リョウイチ「やっぱり。だと思った」
ヒヨリ「どういう意味ですか……!?」
リョウイチ「不慣れなんだなぁと。はは」
(中略)
リョウイチ「あんたが緊張してるようだからちょっとからかって緊張をほぐせればと思ったんだが……逆効果だったな」

善良な大人の男性を装っておきながら、こういうことを言うのが気味が悪いし気持ち悪い。要約するとキス以上のことがドラマでさせられるかもしれないから慣れておいたほうが良いというリョウイチにとってはアドバイス的な意味でのアレだったんだろうが、私にとっては逆効果どころか好感度下がるどころかマイナスにまで達した。こういう事言われて私が思ったのは、慣れろってお前で慣れろってことか?ってことで、それはあわよくば年下の女の子と練習がてら恋愛の真似事をすることを俺は受け入れるぞっていう最低の決意表明であって、それをこんな異常な状況でも冷静で物事を俯瞰できる(フリをしている)年上の大人の男性が言ってくるのが、ただただ気味が悪かった。リョウイチのすべてを知った今ならば、この言い方ってドラマなら何をされても仕方がないって思いが透けて見える。それは『ドラマの中でならば俺とそういうことになっても仕方がないし、俺はそれで主人公を傷つけてもどうとも思わない』ってことなんだろう。この発言を受けた時はもちろんそこまで考察しては居なかったけど、だとしても、つい先日まで見ず知らずだった男性に勝手に腰に腕を回されて、言われることが『やばいことされるかもだから慣れておけ』ってどういうことだ。慣れるわけ無いだろが?
これがもし、リョウイチが清廉潔白だったのなら、『もしそういうことになったらごめん、でも覚悟しておいて』みたいな言い方になるんだろう。というか清廉潔白じゃなくても心から相手を騙すのならそういう言い方をすべきだったのだけど、リョウイチはちょいちょい信仰心や俺は悪くない悪いのはお前ら精神が漏れ出ているのが気味が悪いところだし、今思えばリョウイチはしっかりとした助平心で主人公のことを見ていたんだろう。

リョウイチ「ゆっくりとした心臓の音を聞いていると、気分が落ち着くだろ?
胎児の時に記憶が蘇る、らしい。確かに母親のお腹の中は一番安心できる場所だろうしな。
単純に鼓動の音が同調しているのかもしれない。でもこれで……俺に下心がないことも分かっただろ」

え!?どこが!?
下心がないどころかドスケベ野郎じゃん!一回りも下の付き合っても居ないJK抱きしめといて何言ってんの!?正気か!?(じゃなかった)
安心させる方法はもっと他にあるはずだし、主人公より長生きしてたらそれぐらい知ってるはず。これを善良な人間を装ってやるから気味が悪いのだ。ほらトモセやケイトみたいに大声で正直に自分の気持ちを叫んでみろ、『俺は女子高生が好きです』って。……そういう風に言われたほうが自分に正直な人間だと、好感を持って見られる。
ただこのキャラクターについては凄く良く出来ていたと思うし、ちょいちょい漏れ出てる信仰心については素晴らしく良い塩梅だったと思うので、そういうの気味の悪さは嫌いじゃない。ただ好きと言えるまでは振り切れ方が足りないが。物語の謎を小出しにする意味合いや、プレイヤーがリョウイチに対する疑念を持たせる上ではその漏れ出方はとても上手いなと思った。おかげで一度もリョウイチを信じることなく終わったのはなんだかちょっと寂しい気もするが。

あーあと裏でキョウヤのこと脅したりキョウヤだけやたらと厳しく当っていたのはとっても陰湿で良かったです。良かったと評するのも如何なもんかとは思うが、リョウイチの性格が素晴らしく表現されていたと思った。本当に何も思っていないのなら気にならなかったのだと思うが、リョウイチにとってキョウヤはなりたくてもなれなかった存在であったように思える。自分が持っていないものを持っている人を見ると妬ましい。隣の芝生は青い。……どんだけリョウイチは敗北感味わって生きてきたんだろう。まあスポンサーという立場である以上、敵側であるキョウヤに対しての攻撃は表立っては出来なかったのだが、この陰湿な攻め方が非常にリョウイチらしくてよかった。

リョウイチ「俺には分からない、何が正義かなんて。俺から見れば、お前も絶対の正義には思えない。
正義はいったいどこだ?どんな形をしている?ただ思い込んでいるだけじゃないのか?
ほら、見えなくなってきただろ?形なんてない。信じるほどのものじゃない」

両親がスポンサーで、自身も妹を無くし、それでも敵が何であろうと立ち向かおうとするキョウヤを、ドラマの役を装って責めた陰湿なリョウイチの言葉が五臓六腑に染み渡る。それほどキョウヤが眩しくて眩しくて、自分がそれに屈したのだと認めたくなくて、なんとかキョウヤを引きずり降ろそうとしているようにしか見えなかった。キョウヤもキョウヤで弱さを抱えた人間だから、罠にハマってDEADENDになってしまうのだが、自身がスポンサーだとバレてもキョウヤだけは許せなかった。きっと本人は認められなかっただろうが、キョウヤに対しての敗北感はリョウイチにとって相当耐え難いものだったのかな。キョウヤルートで傲慢な卑屈が語られていたが、リョウイチはそれを認められなかった姿なように思えた。傲慢に卑屈を振りかざしている。
しかし、リョウイチに好意を抱いた主人公が、それでも人殺しの手助けは出来ないと線引きをして、リョウイチと対話するシーンはとってもゾクゾク来て良かったです。リョウイチの真髄ここに顕る。

リョウイチ「お前がここに残ることで、これからここに呼ばれるはずだったたくさんの人間を救うんだ。
いい話じゃないか。言うなればヒーローだ。
それに、痛みなんてすぐにわからなくなる。俺が一緒にいるから。怖いことなんはなにもないよ」

本性現される前から怖かったのにこれ以上怖いことってあるんですかね。狂ってしまえよ楽になるぞ、ということなんだろうが、狂ってしまって楽になるのは逃げなんじゃないか。ヒーローという単語を出す辺り、本当にキョウヤに対して劣等感抱いてたんだなあ。その劣等感をバネに不屈の精神を構築してほしかったが、そうでなくなった姿のリョウイチを拝む事が出来たのはとても興味深かった。リョウイチは心のどこかで、キョウヤのように現状に立ち向かう姿が正しいと感じているにも関わらず、そうなれなくて他人を異世界配信に引きずり込む自分の立場と比べて、勝手に悔しくなって、それでも自分を否定しきれなくて、自己肯定するために『自分はヒーローだ』という言葉を発したように思えた。キョウヤを殺してもなお、拭えないキョウヤへの敗北感が滲み出ている。キョウヤは別にお前のことそんなに意識してないってのにさあ……そういう意味ではリョウイチの『負けた姿』を見ることが出来たのはとても興味深かった。
圧力に勝った姿に人は喜びを覚えるけど、負けた姿にも美と共感を覚える。これを良い悪いで判断することは難しいが、ここで重要なのは他人の命運が掛かってるってことだが、そこをお構いなしに自分を守ろうとしたリョウイチの感情のすべてを否定しきる感情も正直私の中にはない。ないが、……なんかやっぱりいけ好かないんだよな、個人的な好みの問題で。他人に自分の感情を預けるのはきっと楽ではあるんだろうが、そうまでしてしまったら面白いとは思えない。俺がプロデューサーになってやる、って言ったら私も彼にハイレベルの興味を抱けたんだろうが。

それでも、彼がこの狂った世界を受け入れ、称賛する理由が明かされたのは良かった。

リョウイチ「『独りになりたくないから、独りの奴を作る』んだ。
そうすれば、自分が独りじゃないってよく分かるだろ?自分が幸せだってよく分かるだろう」
明瀬さんだけに対する言葉だとは思えない。かつて通り過ぎた何かに対する、恨みの言葉に聞こえる。
(でも……原因が何だったとしても、今こうして双巳さんは独りになってる)
(双巳さんは独りになってる)

怒涛の追い打ちをかける主人公に手足痺れる。大事なことだから二回も言われてる。なんかもうかわいそうだから手加減して上げてよ。独りでも幸福な人は居るだろうが、リョウイチにとっては不幸なことなんだろうな、それは。まあその尺度に関してはお前ん中ではな、で済む話だが、リョウイチがこの世界を受け入れてしまった理由を語るシーンはやはり、共感できるものがあった。始まりは小学生の頃、きっと理由も覚えていないほど些細なことでクラスの中で孤立させられる。二度目は勝手に心の支えにしていた弟が思春期で離れていったこと。そして、スポンサーに出会い、誰よりも公平に接してくれて道を示し、リョウイチを裏切ることがなかったことで自身もスポンサーになったと。
小学生あたりの頃に除け者にされる経験は言うなれば殆どが経験する道なので、大いに共感できた。主役になれない自分を嘆く気持ちがあるのも理解できる。自分という存在がある限り、自己顕示欲というのは切り離せないものだし、そこを『狭量な自分』と称するリョウイチにも大いに共感できたし理解も出来る。ただリョウイチからは、他人から裏切られたことを嘆くばかりで、自分が信じてもらう努力をしたのかというところが殆ど見えないところがただただいけ好かないのだ。あがいて、もがいて、それでも無理だと闇に落ちる話も好きだし、逆にそこから救われる話も大好きだが、『この世界は公平じゃない』と嘆くばかりで何かを変えようと動いたのかが見えて来ない限りリョウイチはきっと独りのままなんだろう。世界は公平じゃないと嘆いたまま。当たり前じゃないのか。極端な話、リョウイチさんはスポーツ見て順位表みんな同率一位とかでも面白いんですかね。
主人公に『選んでもらった』という優劣を実感してそこに嬉しいという感情が伴っているくせに、それでも公平な世界は素晴らしいと言い続けるリョウイチ。それを崩されるのが嫌だから、主人公を一旦は拒否したんだろうが、まあものの見事にキスぶちかまされたのでやっぱり女子高生が好きだったんじゃないか……という他ない。公平なのが良いと言いながら心のどこかで他人を見下し、自分と違う意識だったと知った途端に異世界人を見下し、好いてくれる女の子にだけ心を開く……これをいけ好かないと評する他にない。
他人に傷つけられたからと言って、何の関係もない人間を傷つけてもいい理由になんてならないと思うが。まあそれでもいいとリョウイチは思ったんだろうし、そこに対して思うことはあるが、たった二度の経験で世界は公平じゃないと憎むだなんてさぞかし生きにくいのだろうなと思った。もしかしたら語られないだけで印象的な2つだけを上げたのかもしれないが、リョウイチからはそれを感じられなかった。リョウイチは他人から優しくされたことも思いやられたことも一度もなく今まで生きてきたとはとても考えにくいし、他人に傷つけられたら他人を思いやろうという気持ちを学ぶのだろうと思うが、そうはならないどこまでも独善的なところが双巳リョウイチの魅力なんだろうな。ただやることなすこと中途半端すぎる……振り切れるならもっと振り切ってくれ。

ラストは主人公の説得や諸々の展開が在って、主人公を信じる事に決めた。ここで射落が「信仰の対象を主人公に変えるのか?」と厳しいお言葉を掛けてくれるのがとても良かった。的を射ている。もっと責めても良いっすよ。
ここでリョウイチがそんな簡単に宗旨替え出来ない、主人公は二番目というのだが、ほんとこの人最後まで何を言っているのかわからなかった。世界観変えられるぐらいにまでそこそこ長い間心酔していたくせして、ぽっと出の主人公の言葉と行動にフニャフニャにされておいて何を言ってるんだ?運命の女の子見つけたから宗教やめますじゃかっこ悪いとでも思ってるんだろうか?左手薬指専用の指輪作ってるやつの言うことなのかそれは?こんな事になっておいてプロデューサーが一番なわけ無いだろ主人公が一番に決まっているだろうが一体何を言ってるんだ。

まあここまで語ったけどリョウイチの感情は大体理解できたが、一番理解できなかったのはそれでもリョウイチを好きになった主人公の感情の流れだった。年上のお兄さんに優しくされることは魅力的だろうが、描写やエピソードが足りなすぎて、敢えて辛辣な言い方をするが、キョウヤを殺したあともリョウイチを信じようとしていたのは正直結構引いたしあまり理解も納得もできなかった。それでもなんとか耐えられたのは、キョウヤの一件を「許せない」と線引いてくれたからだった。あそこがなければ結構納得の行かないまま進んでしまった気がする。
リョウイチに確認したいのは、もし自分が独りにする相手を選べる立場だったら痛みも感じずに何の迷いも苦悩もなく生きられていたのか?ということ。独りにされる痛みを知ったから嘆き悲しんでいるけど、じゃあ選べる立場だったら本当に誰も選択しなかったのだろうか。何の関係もない赤の他人を巻き込み、自分と違うと知った途端異世界人を見下すリョウイチが、自分を守るために独りにする人を選ばないとは、私は到底思えない。

主人公が異世界側に堕ちるEDも見てみたい気もするが、なんというかリョウイチは信仰してるって言う割には信仰心足りなさすぎて、堕とされるならもっとマジヤバでガチヤバなやつにやってもらいたいので、リョウイチさんは追い苦悩して今の数百倍ぐらいはのたうち回って痛覚どころか闇の感情しかなくなるぐらい堕ち直してきてもらえますでしょうか。よろしくおねがいします。


●茅ヶ裂マモル
初っ端からネタバレをかますが、異世界人と人間のハーフとのことで、もうどうやって子供作ったのかその過程が気になって頭の中ぐるぐる回ってたので恋愛模様に関してはちょっとスルーしてしまった。それでもリョウイチルートよりは優しく穏やかで誰にも見せずに苦悩している彼に惹かれるのは理解できたが。
彼のルートも色々伏線が貼られているのは感心した。味覚に関すること、聴覚に関すること、やたらと固執する違和感のある右腕……などなど。この謎を散りばめつつ回収していく様は他のルート同様、わざとらしくなくうまい回収の仕方で、かつ主人公とのやり取りもあってとても楽しく見ることが出来た。
異世界人はどちらかと言えば、過激であればあるほど感情が揺さぶられて楽しめるのだろうが、彼の本質はそれとは真逆で、穏やかで思いやりがあるのでなんとも切なくて良い。逆に彼との対比で、リョウイチのほうが過激で他人などどうでもいいと思いがちなのが面白い。どっちが異世界人なのかわからないですね。どっちも人間なのか、どっちも異世界人なのか、それともどちらでもないのか。
右腕を大切にする理由は切なさを極めていて良かった。自分が生まれてきた理由を考え、愛情があって生まれてきた証なのだと、異世界人化している右腕を『自分である』と捉えて大切にしている。それでも過去の映像を見て、狂人になってしまったように見える母の姿を見て落胆し、自分を愛してくれる存在などいないと諦めたところに現れたのが主人公だった。主人公も異世界人の本当の姿を見て具合が悪くなってしまったり、それを見て『自分は受け入れられない』のだともらいゲロが如く具合の悪くなるマモルを見るのは心苦しかった。もちろんこの話は主人公がマモルを受け入れてこそ輝くし、そういうラストで終えられるのだけど、厳しいことを言うと、もし右腕とそれ以外の状態が反転していても主人公は好きになったのか?と問いたい。異世界人化しているのが右腕以外で、それでもなおマモルの内側が同じでも主人公は同様に愛することが出来たのだろうか。到底受け入れられない異物を受け入れ、自分と全く違う生物であることを理解し受け入れ、それでもマモルのことが好きなのだと、そう言ってくれる展開のほうが見てみたかった。まあ乙女ゲーである以上そういう展開がウケないと言われてしまえばそれまでだが、このテーマでそれを扱う以上、そこまで描いてほしかったなという気持ちを捨てる事が出来なかった。
だから、最後に自分の個性である右腕を切り離してしまった彼を見て、私はなんとも言えない気持ちになった。それはマモル自身の個性で、ずっと大切にしてきたものであって、例え主人公とは違うものであろうと、なかろうと、そのまま大切にするべきだったんじゃないのかな。それこそがマモルの苦悩であったとは思うが、その体で生まれてきて与えられて、今のマモルを形成してくれた大切なマモルの一部であるように思えたので。

そうそう、リョウイチは自らスポンサーになった人間だが、マモルはスポンサーにならざるを得なかった半異世界人で、この対比は面白かった。中身もほぼ真逆なのが色々と考えさせられるものがあってとても良い。ラストシーンも対比していて、マモルは過去の自分と決別して、新しく生まれ変わることに決めてこの世界に終止符を打とうとする。どこまでも対比していてその点がすごく面白かった。

マモル「あなたと生きる世界は、幸せに満ち溢れていますね。どんな傷も、苦しみも、怖くない。
小さなことに思えます。生きることは幸福です。……あなたがいれば」

若干危険な考え方なようにも思えるが、愛する存在を得て世界が変わるのは乙女ゲーにとても相応しい。でも誰しも心の拠り所を持って生きているものだし、誰にも愛されず誰も愛することも出来ずただ漠然と生きるしかなかったマモルが唯一手にしたかったものを手に入れられたのは良かったなと思ったし、心温まった。

いや、しかし、本当に……どうやって子供作ったんだろ……エロゲ脳なのでそればかり気になってしまう。
(追記:裏バレブック読んだら解決しました。とりあえず私のエロゲ脳が心配するようなことは無くてほっとしたような、種のそういうことを超えなくて残念なような……)


お次は残りの3名です。実は初見の段階だとメイが最萌だったのが自分でも意外だったが、なんかとんでもない闇抱えてそうじゃないですか?いや抱えて無くてもいいんだが、なんかこういう中間管理職タイプを好きになってしまう傾向にある。気がする。ソウタは辛辣な言葉を投げるが、言っていることは至極まっとうで、話が進まなくなりそうな時に素晴らしいタイミングで投下してくるので大好きです。自分に正直に生きてそうなやつが好きなんだ私は。タクミについては私のショタコンセンサーがあんまり引っかからないのが残念。でも12歳の小学生なら間違いなくショタなのでタクミくんは胸を張っていい。これで中学生だったら私は膝に土を付けて倒れ込みながらおいおいと嘆き悲しむが。
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